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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ゼロからのスタートで新たなビジネスを始めるのは大変

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 いま、新規にソフトウェア製品の開発をスタートしようとしている。まだどういう形態で提供するかなども決まっていない状況なので、ほぼゼロからのスタート。考えるべきことがたくさんあることに、改めて気づかされている。

 大木さんが、「それは本当にお客さまのためなのか」というエントリーを書かれているが、まさに最初の一歩はここのはず。ところが、ものを作る側の技術者は、ついついいいものを作ることに注力してしまう。これもできたら、こんな機能もあればという話になりがちで、そもそもこの製品は誰が使うのか、誰が買ってくれるのか、どういうときに使うと便利になるのか、いくらなら買ってくれるのかといったことについて、なかなか時間を割いて議論できていない。

 いまなら、SaaSで提供するのか、使用するライセンスは無料にしてサポートでお金をもらうのか、はたまた高くソースコードごと買ってくれるところを見つけてあとは継続してバージョンアップ対応なんてビジネスモデルも考えられる。とはいえ、そもそもの製品の市場性はどうなのかと悩み、利用シーンをいろいろと模索する。いくらかけて作り、どれくらいの期間でそれを回収すべきかはもっとも重要なことだという自覚はあるのだが、これがなかなか判断が難しい。

 競合製品は本当にまだないのか(競合製品がないってことは市場性がない?)。はたまた、製品のことをちょっと人に相談すると、新たなアイデアも生まれてくる。それを生かすには、こういう製品にする必要があるなど、製品のもともとのコンセプトを考え直す必要も出てきたり。

 とにかく、製品を作る前に考えるべきことはたくさんある。ところが、製品の姿がある程度見えてこないと議論を先に進められないことも多々あるのも事実。なんだかジレンマに陥るのだった。とはいえ、忘れてはならないのは顧客の視点。これなくしてどんなにすばらしい製品を作っても、売れる物ではない。物ができてから、さて誰に売ろうか、誰が買ってくれるかでは、昨今のビジネススピードには到底ついて行けない。

 とかなんとかいいながら、いろいろと悩むことも多いけれど、新しいことを考えるのはやっぱり楽しい。

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