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2月2日は世界湿地の日

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 学生時代に緑環境のことを勉強していたときに、ラムサール条約について学んだ。随分時間が経ったいまでも、この条約のことはよく憶えている。

 というのも、この条約の日本語の正式名称が「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」というやたらに長いものだったから、かなり強烈に印象に残っているのだ。ちなみに、英語でも"Convention on Wetlands of International Importance Especially as Waterfowl Habitat"とかなり長い。

 どんな条約かといえば、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地そのもと、そこに生息、生育する動植物の保全を目的としたもので、この条約を締結した各国では領域内にある重要な湿地を1ヶ所以上指定して、その湿地とそこに生息する動植物、特に水鳥の保全促進のためにとるべき措置について規定したものだ。

 この条約が作成された会議が開催されたのが、イランのラムサールという都市であり、その都市名にちなんで通称ラムサール条約と呼ばれているわけだ。ここらあたりまではあやふやなところもあったものの、なんとなく知識として憶えていた。しかしながら、この条約が制定された1971年2月2日にちなんで、2月2日が「世界湿地の日」になっているというのはまったくもって知らなかった。

 環境省のページの情報によると、2月2日の前後に、行政機関、NGO、市民団体などさまざまな団体が、湿地の価値に対する認識を高めるためのイベントを開催するとのこと。ちなみに今年のテーマは「上流-下流:湿地が皆をつないでいる」というもの。東京近郊だと2月11日、千葉県習志野で「干潟でデジカメウォッッチングぅ~!」というイベントが開催されるようだ。

 水鳥のために湿地を保全するというのは、まさに水鳥のためということになる。極端なはなし、水鳥のある種が地球上からいなくなったとしても、いまの自分たちの生活には大きな影響はない。しかしながら、その「種」が生息していた湿地がなくなったり汚染されたりした場合には、回りまわって自分の生活にも影響が出るかもしれない。そのあたりが、今回のテーマにつながっていく話なのだと思う。

 湿地はおそらく、ミクロ的にはその周辺の気候を調整する機能なんかもあるはずで、人が住みやすい環境を生み出す効果がありそうだ。もうすこしマクロに見ていけば、上流の環境の影響を色濃く受ける存在でもあるはずだ。なので、湿地で水鳥が暮らせなくなるということは、その上流の人々が住んでいる地域に、なんらかの問題が発生している可能性が高いというわけだ。おそらく今年のイベントでは、そんな話題が取り上げられるのかなと、勝手に想像している。湿地なんて自分とは関係ないなぁと思わずに、これを期に湿地が皆をつないでいると考えてみるといいのかもしれない。

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