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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

アプリケーションだけでなくビジネスサービスを提供する

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 すでに5月12日に「シティバンク銀行と日本オラクル グローバル・キャッシュ・マネージメント分野で連携」というニュースリリースが出されていることだが、本日これに関する記者向けの詳細説明会があったので参加してきた。

 詳しくは、@ITの記事を参照して欲しい。

 外資系などの大手企業では、ある国では余剰資金が出ていたり、ある国では資金ショートで借り入れが発生したりという預金の状況をきちんと管理する(プーリングというらしい)だけで、年間で数十億円のメリットを出すところもあるとか。

 あるいは、各国にあるブランチ間で個々に資金取引をするのではなく、グループ会社間決済の統一的なルールを確立してグループ内に金融統括会社を設置し、個々に取引するのではなくすべての取引をこの金融統括会社に集約することで、さまざまなメリットが享受できるとか。

 なんだか、自分のビジネス感覚からちょっと遠いところの話であり、理解するというか実感できる話ではないのだが、為替リスクや金融リスクの高い国になるべく資金を置かないようにするとか、グローバルなレベルでキャッシュ管理をするとさまざまなメリットがあるであろうことだけは想像できた。

 で、どこが今回目新しいのかというと、そういったグローバルレベルでのキャッシュ管理をするアプリケーションを提供している日本オラクルと、実際にお金のやり取りをするシティーバンクが連携したというところだ。これまでは、オラクルならアプリケーションを提供する。シティーバンクなら決済サービスを提供する。これらはビジネスの上で密接に関連するが、ユーザー自らが両者を結びつける必要があったが、今回はそこが連携するのだ。

 連携サービスの内容もさることながら、アプリと現実的なビジネスサービスを連携させる取り組みというところが、なんだかすごく新鮮に思えた。これまでオラクルの提携先といえば、SIerだったりコンサルタント会社、あるいはハードウェアメーカーなどがほとんど。仮に金融関連のアプリケーション提供の際にも、連携するのはコンサル会社の金融サービス部門だったりするわけだ。この組合せでは仕組みは提供するけれど、それをどう使って、現実的にビジネスするかまでは提供してくれない。

 今回の日本オラクルとシティーバンクの取り組みは、そこから一歩踏み込んで実際の決済業務を便利にしメリット生み出すという、現実ビジネスをサービスとして提供する。

 ちまたではSaaSが盛んになりつつあるが、Softwareをサービスとして提供するとはいえ、これは「仕組み(ソフトウェアインフラ)」を提供しているに過ぎない。仕組みではなくさらに一歩進んでビジネス(の現実的なサポート)を提供することが、今後はベンダーに求められるようになるのかもしれない。

 今回の取り組みは、日本独自のものだとのこと。グローバルな動きの中のローカルな動きではないのだ。ここもまた興味深い。外資であり日本の公開企業でもある日本オラクルが、今後日本市場で独自の活動を展開していくというのは、ソフトウェアを日本に適合するようにすることではなく、こういった日本独自のビジネスサービスをパートナーと展開していくということなのかもしれない。

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