もともとマウスはあまり好きじゃない
SunのワークステーションでX Windowsを使っていたころから、じつはマウスってあまり好きじゃなかった。作図したりするときはしょうがなく使っていたが、バーチャルデスクトップの切り替えやウィンドウの移動などは、当時はほとんどキーボードだけで行っていた。
その後Windows環境になってからは、マウスに手を伸ばすことが増えたように思っていた。相変わらず文章を書くにはEmacsライクなエディタを使っていたので、その上では画面のスクロールやカーソルの移動などほとんどキーボードの操作だけなのだが、メールリーダーだのWordやExcel、PowerPointだのを使うようになってからは、マウス利用の頻度は上がる一方だったような。
ノートPCを使うようになり、トラックポイントやタッチパッドというのが出てきたが、細かい動きををするには外付けのマウスを使うほうが便利だった。その中でもThinkPadのトラックポイントは比較的使いやすく、マウスはあまり接続しなかったように思う。
ところが、ここ最近はMacBook Airを使うようになり、マウスではなくマルチタッチトラックパッドのみを利用している。そういえば、こいつにはマウスをつなげようと思ったことすらない(まあ、USBポートが1個しかないからとも言うが)。
ITmediaにこんな記事が出ていた。マウスの単純な置き換え的なパッドだったころは使いにくかったが、たしかにマルチタッチトラックパッドは使いやすい(少なくとも自分には)。もともとキーボードから手を離してマウスをつかむよりは、大きく手を動かさなくてすむパッドは自分の好みだったのかもしれない。ただし、動きの繊細さがいまいちなところが気に入らなかっただけだったのか。もちろん、Airのマルチタッチトラックパッドが万全とも思わない。ただ、マウスの代替ではなくまったく新しいインターフェイスとして設計されているのではと感じられる。記事ではカメラを利用したインターフェイスなんてものも、今後の可能性として取り上げているが、キーボードとマウスという組み合わせが当たり前だった時代が、今後は確実に変化しそうなことは確かだろう。そういう意味では、まだまだマウスの代替品的な部分もあるので、マルチタッチトラックパッドは過渡期の技術に過ぎないのかもしれない。
記事ではさらに、手書き認識がまだまだの状況だから、キーボードはしばらく残りそうだと言っている。キーボードの代替品と考えるとそういうことなのかもしれないが、まったく発想を変えた入力装置の登場だって近々あるかもしれない。音声認識なんかも飛び越し、頭で思い描いたものがそのまま入力できるようになるすばらしいインターフェイスが早晩登場してくるのではないかなぁ。