日本公園百年史
「明治6年1月15日、太政官布達第十六号によって、わが国に初めて公園制度が設けられた。」これが、私が手にしたこれまでにもっとも重たい本の、出だしのいち文だ。
この書籍、『日本公園百年史』という。昭和53年8月31日発行、編集・発行は日本公園百年史刊行会となっている。ちなみに定価は25,000円もするのだ。中身は総論・各論および附表の2分冊で、ちなみに家庭の体重計で重さを測ってみたら4kgだった。うーむ実に重い本だ。
これは、大学時代に緑地学というものを専攻していた際に入手したもの。というか、無理矢理もらわされた、というのが正解か。ある日、大学の研究室に行くと、この本が机の上に山積みになっており、ゼミ生は全員持ち帰ることが義務づけられたのだった。じつは、入手してからこれまでにページを捲ったのは、ほんの数回程度。定価25,000円もする本である、何度古本屋に売りに行こうと思ったことか(買ってくれるかどうかははなはだ疑問ではある)。とはいえ、何度かの引っ越しを経ても、どういうわけか手元に残っているのであった。
本棚にはこれ以外にも、学生時代の名残で造園辞典や樹木の図鑑、蜘蛛の図鑑などその後あまりページが開かれることのない重たい本が多数鎮座している。これらの中には、定価ではそれなりに高額なものもある。学生時代はお金もないので、神田の古書店街に通って、少しずつ買いそろえたのだ。もちろんそれなりに活用したものもあるのだが、買っただけで満足してしまった本もちらほら。あのころ、買いそろえた書籍を利用して、もっとちゃんと勉強していれば、今頃は。。。。
本は、思いついたときに買わないと、後に手に入らずに後悔することに。それでもいまは、あのとき気になっていた本がAmazonなんかで見つかることもあり、思わずクリックしてしまうこともある。ちなみに、この本、さすがにAmazonでも見つからない。というか、いくつかの図書館の蔵書にはあるようだが、Googleでもほとんど情報にヒットしない。さてさて、歳を取ってから、この本のページを捲る日がくるのだろうか。