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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

今後はITインフラといえばやっぱ仮想化でしょう

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 先日、EMCのCEOであるジョー・トゥッチがイベントに合わせ来日し、記者向けに現状と今後のEMCの戦略についての説明会が開催された。EMCの戦略の話になるといつも気になるのが、VMwareとのシナジー効果をどう発揮していくのかということ。

 説明会の内容はすでに@ITやITmediaのニュースで取り上げられているのでそちらを参照していただければと。

 今回のトゥッチ氏の話の中で気になったのは、VMwaeとの関係の部分だ。これまでVMwareについては、EMCが買収したとはいえ距離置き、独立した形で運営をしてきた。それは、VMwareのパートナー企業が、場合によってはEMCと競合関係にあり、それらの企業との良好な関係を保つためには、この距離感が重要だったということだ。もちろん、この方策の結果もありVMwaeは成長を遂げ、IPOに成功しEMCに大きな利益をもたらしたことになる。

 これはこれで経営戦略としては成功なのだろうけど、個人的にはもっとEMCとVMwaeのコラボレーションが進んでもいいのではないかと思っている。VMwareはIPOによって会社としての認知度も向上し、世の中の仮想化ブームもありIT業界ではだいぶ知れ渡った存在となったことは間違いはない。とはいえ、やっぱりテクノロジー製品的でニッチなイメージもいまだ強い。エンタープライズな領域でソリューションを語る存在には、まだまだなっていないように思う。

 一方、EMCはエンタープライズ領域の企業だ。製品はそれなりに高価かもしれないが、ソリューションを語れる企業だと思う。両社がもっと積極的にタッグを組めば、VMwareのエンタープライズのカラーがはっきりしてくるに違いない。そうなれば、仮想化市場のエンタープライズ領域では、MSやCitrixに対し1歩も2歩も先行できるのではないだろうか。

 こんな話を、発表会の帰りのエレベータで一緒になった@ITの三木さんに言ったら、VMwareとしてはやっぱりHPやIBMといったパートナーを大事にしたいから(その関係があったからこそ成功したわけだし)EMCに取り込まれるような動きはあまり見せたくないのではとの意見だった。むしろVMwareがEMCの技術を利用して、VMwareサイドから災害対策などエンタープライズ系のソリューションの領域に注力してくるのではとのことだった。たしかに、それは一理あるかもしれないと納得する。

 会場でトゥッチ氏に対し、VMwareについては引き続き独立した形で運営されるとのことだが、EMCの仮想化の戦略にVMwareの技術を今後は積極的に取り入れていくことには間違いないよねと質問したら、もちろんその通りだとの回答は得られた。なんとなくこの回答をもって、自分の考え方を無理矢理納得させたような気分に。

 この回答、ITインフラに仮想化の技術は今後不可欠になるのは間違いないだろうから、当たり前といえば当たり前の答えなのだが。EMCとVMwareのコラボレーションが今後どういう形で進んでいくのか。自分にとっては、引き続きウォッチしていきたい関心事であることには変わりはないということだ。

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