ブラウザがOSくらいに重要に
シマンテックが、ノートン・アンチウィルス2008の発表を行った。ノートン360と同様、1つのライセンスで3台のPCにインストールできるようになった。これなら価格的にも他社ツールに負けていない。
発表会のなかでの説明で、ここ最近、とくにWebブラウザを守ることに注力しているという話があった。AjaxなどでWebブラウザだけでさまざまなことができるようになっており、Webサイトにアクセスしただけで不正コードを実行するような脅威が増えているとか。
これに対して、怪しいサイトにはアクセスしないというのはもちろんなのだが、正規サイトに密かに不正コードが挿入されていて、知らぬ間にマルウェアに感染してしまう可能性があるとのこと。実際、2007年のスーパーボールのサイトがハッキングされ、キーロガーが組み込まれ数千人が感染してしまったという事例が報告されていた。
ということで、ノートン・アンチウィルス2008では、ブラウザを攻撃から防御する機能を強化したとのことだ。これは、Webブラウザがなんでもできるようになり、OSと同じくらいのレベルで守るべき対象になっているということ。このあたりは、ノートンが他社より先行している部分だとの発言もあった。
たしかに、日常的なPCの利用の大部分は、Webブラウザ上の作業となってきている。メーラーも使うけど、GmailなどブラウザのWebメールでの利用もそれなりに使っているし、スケジュール管理もWebブラウザから行っているなんていう人も多そうだ。ワープロや表計算だっていまはブラウザ上でできる。自分の作業だと、テキストエディタでの文章書き以外は、ほとんどブラウザだけですませられそうだ。
こうなると、OSがどれでもあまり関係がない。さらに、ローカルにデータを保存しないのならば、PCが変わっても利用環境はほとんど変化しないことになる。このWebブラウザ利用頻度の増大傾向は、今後さらに強まっていくことだろう。OSの機能で優位性を出しビジネスを行っていくのは、クライアント環境では今後かなり難しくなっていくのかもしれない。