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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

暑い、熱い上海

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 先週は、暑いというよりは熱い上海に行っていた。夏休みの観光旅行ではなく、オラクルのイベントOracle OpenWorld Asia Pacificの取材のためだ。

 とにかく暑い。日中は40度を超えているのではとのこと。しかしながら上海市の公式発表は、いつも39.5度止まりらしい。嘘か本当かは定かではないが、気温が40度を超えると屋外作業が禁止となるために、40度を超えという発表をするかどうかは、微妙な政治的判断が入るとか。

 自分の体感的には、確実に40度を超えている気がした。昼間、5分程度でも外気の中を歩いていると、頭がふらふらしてくる。そのぶんというか、建物の冷房はとてつもなく効いていることが多い。当然屋内の温度が下がった分だけ外気温はさらに上昇する。上海出身の方と、この暑さについて話をしたら、彼女が子供のころはせいぜい上がっても35度くらいまでだったとのこと。ここ最近の40度近い気温というのは、異常だという。確実に上海の街が温暖化というかヒートアイランド化しているようだ。

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 不安をあおるのが、天気は晴れているのに空がなんとなく曇っていること。抜けるような青空に強い日差しというのではなく、白く濁った空にまとわり着くような熱気と強い日差しなのだ。この空の色はスモッグなのだろうか? そのうす曇のような空に向かって、無数の高層ビルが突き刺さっている。高度成長期の東京が、こんな感じだったのだろうかと、ふと思う。

 今回のオラクルのイベントのなかで、中国が安い労働力や技術力を得るエリアから、巨大なマーケットに変貌しているという話を多数聞いた。中国に進出している企業は、すでに労働力確保のためではなく、巨大マーケットでビジネスを行うためにITシステムを導入しているという。とはいえ、急激に市場として成長しているので、社会インフラが追いついていないように思えた。道路は慢性的な渋滞だ。さらに、上海のすべての市民が裕福に暮らしているわけではなさそうだ。しかしながら、高層ビルがどんどん建設され、人は街にあふれている。

 公害問題などをある程度克服してきた日本は、いまの中国に対し支援できることが多数ありそうに思う。中国での環境の悪化は、隣国である日本にも確実に影響が出るだろう。中国のためではなく、日本のために中国に技術支援すべきところがたくさんありそうだなと感じた。そんな、中国取材旅行だった。

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