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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

検索から仕事を始める

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 Enterprise Searchが世に出てきて、何かを調べるために検索という機能を利用するのではなく、検索という作業から仕事を始めるというのも、確かにありだなと思っている。

 とはいえ、仮に立派なEnterprise Searchの仕組みが手元にあったとしても、検索対象のコンテンツが洗練されていなかったり、検索の仕組みを十分に分かっていてうまく使いこなせないと、検索結果がたくさん出てきてしまい絞り込むのにむしろ時間がかかってしまうということもありそうだ。

 先日参加したビジネスオブジェクツ社の新機能の発表会でも、BIツールのインターフェイスに検索機能をという話があった。この機能では、BIツールで作られた各種レポートなどが検索対象となる。カテゴリーが自動的に設定されているので、検索結果が仮にたくさんヒットしたとしても、そのあとは順次カテゴリーで容易に絞り込むことができる。これなら、直感的に使えそうだ。

 面白いなと思ったのは、仮に検索してもヒットするコンテンツがなかった場合に、その検索ワードを使ってそこから分析画面に入れるというところ。つまり、「製品」「売り上げ」というキーワードで検索してヒットがなければ、その製品と売り上げを軸にして多次元分析ができる画面にすぐに入れるのだ。

 多次元分析に慣れた人ならば、最初からアナリスト向けの分析ツールを使えばいいだろうが、多次元の分析は慣れるまでにそれなりの時間がかかる。直感的に使えるとベンダーは言うが、個人的にはBIツールはけっこう敷居が高いと思っている。結果的に、流行の経営ダッシュボードのように、だれでも使えるであろうダッシュボード画面を担当者が用意して配るということになる。

 これが、検索から入って、ヒットすればそのレポートをすぐに利用できるし、なければそのまま分析の画面に自然に入れるというのだ。ビジネスオブジェクツのツールで作ったレポートなどが、今回のシステムでは検索の対象になり、既存のレポートでもカテゴリの設定などを人手でやるというのは、とくに必要ないとのこと。BIツールの敷居を下げる仕組みとしても、これはけっこういいのではないだろうかと思った次第だ。


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