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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ついつい検索結果を鵜呑みにしてしまう

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 2月23日の朝日新聞の記事に、米国の大学で試験にウィキペディアの引用を禁止したというニュースがあった。

 米バーモント州にあるミドルベリー大学でのことらしい。なんでも試験をおこなった際に数人に同じ間違いがあり、出もとをたどったところウィキペディアに行き着いたとか。ウィキペディアに基づいて答案を書いたと思われる例は以前からあったそうだが、学生が情報を鵜呑みにすることを危惧してこの措置となったようだ。

 ウィキペディアだけでなく、ネット上の情報の真贋はよくわからない。結局のところ複数の検索結果などを参照し、それが正解らしいと予測することになる。慣れてくると、ここの情報はいつも正しいから今回も正解に違いないと判断する。もちろんこれで問題ないこともあれば、時には間違った情報を掴んでしまうことに。

 現状、日本でも小学校や中学校の宿題にネットの検索結果を利用している、などという話を耳にする。大抵のことは、これでもちろん正解にたどり着くのだろう。しかしながら、自分で調べて理解する、ものによっては疑ってみてさらに深く調べてみる、といった本来の「学習」の意味みたいなことがおざなりにはなりそうだ。

 ネット上の検索技術の次なる進化は、求めている正解に確実かつ苦労なくたどり着くことだと思う。検索結果は、正解1つでいいのだ。これが実現されれば、かなり便利なツールになる。とはいえ、そんなものができてしまうと、よりいっそう人の学習の姿勢が崩れそうな気もする。

 かつて、雑誌編集部に配属となった際、辞書を新調した。その後、ついこないだまで紙の辞書や用語集が数冊デスクの上に並んでいた。ところがいまは、CD-ROMやネット上の辞典、辞書に頼っている。初心に返り、紙の辞書を机の上に並べてみようか。

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