カーボンニュートラルとカーボンオフセット
先日、Dellの地球温暖化対策への取り組みについてブログ記事を書いた。ITのベンダーも、地球温暖化を抑止する方向に力を注ぐべき時期にきたのだろう。自動車のようにエコロジー対策の成功が、次期市場でのリーダーシップの条件になるかもしれない。
1月16日付けで、セールスフォース・ドットコムが、「Earthforce」という活動について発表をおこなっている。この発表のなかに、「カーボンニュートラル」という聞き慣れない言葉が登場する。
Earthforceとは、セールスフォース・ドットコムが2007年にカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出と吸収がプラス・マイナスゼロになること)な企業を目指す取り組みで、二酸化炭素が排出される主なエリア(オフィス、出張、データセンター)からの温室効果ガスの排出削減を行う活動
とのことだ。自ら排出した二酸化炭素をなんらか吸収して、プラスマイナスゼロを目指すということ。Googleで検索してみると、日本語のページで67,500件もヒットするので、環境用語としては定着している言葉のようだ。このカーボンニュートラルを実現するための活動が「カーボンオフセット」であり、これは、出してしまったCO2をオフセット(埋め合わせ)することで、おもに樹木などのCO2を吸収する植物を増やすなどの活動となる。
セールスフォース・ドットコムでは、独自の1%モデル(労働時間の1%、株式の1%、製品の1%)で、社会貢献をおこなうというのが、創業時からの企業姿勢だ。これまでは、時々に必要と考えられるさまざまな活動を支援してきたのだろうが、そこに1つ地球環境というターゲットを定めたことになる。
セールスフォース・ドットコムにおける2006年の二酸化炭素の推定排出量は、ほぼ19,700トンで、126,000ドル相当となり、これは、5つの再生可能エネルギープロジェクトの支援が可能な量
とのことで、まずはこの排出分を相殺するような活動を支援するとのこと。最初にこの件のリリースを受け取った際に、よく読まずにオンデマンドのサービスであれば、企業のサーバーやストレージを削減でき地球に優しいとかいう話なのかと勝手に考えていた。しかしながら、もっと本格的で具体性のある活動の発表だといえる。
自分自身の生活を省みて、カーボンニュートラルを意識していたか、カーボンオフセットとなる活動をしていたかというと、ほとんどできていない。なにか小さいことからでも始めるということを、今年の目標に加える必要がありそうだ。このブログの文章で、カーボンニュートラルやカーボンオフセットという言葉が、皆さんの頭の隅にでもまずは残ることができればいいのだが。