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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

モラルの欠如が怖い

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 私がインターネットを始めた18年くらい前は、明らかに性善説で運営されていた。互助会状態でさまざまなことが無料であり(企業なり研究機関はもちろん費用を負担していたが)、さまざまなものがそこから得られる安全で楽しい仮想空間だった。もちろん、当時からマナーという、それなりに厳しいルールはあった。

 いまではもちろん、性善説での運営なんて夢物語だ。SNSは友達の友達という世界だから、初期のころのインターネットの世界のように性善説の世界になるのかと期待したが、集まる人が増えるにつれそれもまた夢に終わっているように思う。

 12月6日付けの日経新聞1面の「ニッポンの教育」という連載企画の記事に、衝撃的なことが書かれていた。京都市教育委員会が2002年におこなったアンケート結果で、「ルールを全く守らなくても良い」と回答したのは、全体では15.8%、高校生では23.9%もに及ぶとか。こんな状況では、インターネットの性善説運営なんてあり得ない。アンケートから4年経過し、この数字が改善されているとはとうてい考えられない。

 教育の現場では、こどもたちのさまざまな面でのモラルの低下に教育関係者は驚いているようだが、こどもだけでなくその親も信じられないようなモラル低下に陥っているとのこと。連絡なしに休んだ児童の家に電話すると、親の答えは「寝たのが遅かったから、しょうがないでしょう。今日は休ませます」だったとか。さらには、「義務教育だから払う必要がない」と給食費の支払いを拒否する人も少なくないとのこと。なんだか信じられないような話しだが、現実のことらしい。

 こんなにモラルが低下しているとなると、より規制や縛りが増えどんどん息苦しい世の中になってしまうのではと心配になる。親からしてこの状態では、こどもが成長したあとの世界ではさらなるのモラル低下に陥ることは明らかであろう。ではいったい、いまなにをすればいいのだろうか。現段階でこれに対しどうしたらいいという答えは、残念ながら私にはまったく思い浮かばない。

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