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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

いっそPCなんか捨ててしまおうかと思わせる話だった

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 先日、ここのブログでも書いたが、セキュリティ監査が入ったことをきっかけにオフィスドアのオートロックを検討している。オートロックだけでなく、入退室管理が同時にできないか、そのときの認証にはICカードや生体認証を使うのがいいのではないか、などと考えると話がどんどん膨らんでいく。

 当然ながら、オフィスのデスクではPCを利用してる。ノートPCは容易に持ち出せないようにワイヤーロックするであるとか、席を離れるときはパスワード付きのスクリーンロックをかけるなんていうのも、セキュリティ監査の項目にはあがっている。ICカードでこれが管理できれば、席を離れるときにカードを引き抜き、同じカードで入退室管理もできて一石二鳥だななんて考えてしまう。

 で、SunのSun Rayなのだ。ブロガーズミーティングで最新のSun Rayの利用方法の紹介があったのだが、これがなかなかいい。ICカードを作業の途中で、なんの処理もせずに自由に抜き差しできるのがいい。これは、完全にサーバーサイドで処理をしていて、端末はたんなるダム端として機能しているからできることだ。サーバー側できちんと冗長性がとれていて信頼性も高いのであれば、PCから離れるときにいちいち保存とかの処理もしなくてもいいような気にさえなる。

 Sunの仕組みだからSolarisやLinuxでStar Officeを使うしかないのかというと、いまはそんなことはない。VMwareの機能と組み合わせカードの抜き差しでSolarisだったりLinuxだったりWindowsだったりを自由に切り替えることが可能だ。端末は1つ、カードを差し替えるだけなのだ。当然、自分専用の端末を用意する必要もない。オフィスが変わろうと、国外に出張してようと、ネットワークが接続でき端末があればすぐに自分の環境が目の前に現れる。

 

Pc080002 いまではなんと、ノートPC型のSun Ray端末も開発されているとのこと。写真は、まだ試作段階のものとのことだが、通常のノートPCと見た目はなんら変わりがない。筐体の横の部分にJavaカードが差し込まれているのだけが異なるところだろうか。中身には当然ハードディスクはない。CPUもMIPS系の組み込み用途のものを使っているとのことで、消費電力も極めて低いとのこと。

 これなら、いっそPCやめちゃってもいいかもしれないと思ったのだ。ここまで便利に使えるなら、なにもPCに拘る必要はなにもない。安全性考えてもかなり信頼できる気もする。とはいえ、ネックは2つ、ネットワークが必ず必要ということ。外出先では必ずしも常時接続の状況にはならない。ネットワークに接続できなければ、ダム端ではなんら処理できないのだ。Sun Rayに統一してしまった場合は、作業場所をオフィスに限定するか家庭などでVPNで接続できないとならないだろう。

 もう1つが、我々のように極小規模の企業にとっては、サーバーなどがオーバースペックというか、これだけの仕組みを運用管理していく情シス的な体力がない。これこそSaaS型というかホスティング的にマルチテナントでこの環境を提供してくれるサービスが欲しいところだ。まだ、今日の時点でPCはやめられないかもしれないが、そんなに遠くない将来には、「PCなんてまだ使ってるの? 君のところは環境旧いし、セキュアじゃないね」なんて言われることになる日も、やって来るような気がしたのだった。

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