オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

やっぱり仮想化はかなり面白いところまで来た

»

 今年は仮想化が流行るだろうなぁと思っていたのだが、11月になってVMwareが面白いことを始めた。なんと、仮想アプライアンスのマーケットプレイスを開設したというのだ。

 記事によると、VMwareは顧客に300を超える仮想アプライアンスを提供するマーケットプレイスを開設したとのこと。提供されるアプライアンスはコラボレーション、電子メールセキュリティ、侵入検知などさまざまなものがあるようだ。使いたい人はアプライアンスをダウンロードして、VMware PlayerやVMware Serverで利用できるとのこと。★によるレイティング機能もあって、どのアプライアンスが人気があるかも一目瞭然だ。

 これは、従来のインストールというか、ソフトウェアの配布の概念が大きく変化する話であろう。ソフトウェアの稼動条件がどうとか、他のソフトとの相性がどうであるとかいうことを心配する必要がないのだ。これを入れると、既存のソフトがおかしくなるということもない。メモリの十分に搭載されたサーバーであれば、メールを入れてファイヤーウォールを入れてLDAP入れてといった具合に必要なものをダウンロードして仮想マシンとして起動すれば、外向けのインターネットサーバーがすぐにできあがる(実際にはそんなに単純な作業ではないだろうけれど)。システムのバックアップも簡単だ。アプライアンスのイメージをどこかにコピーするだけだ。そもそも1つ1つのアプライアンスは単機能なので、バージョンアップで入れ替えるのも容易だ(と思う)。

 コラボレーション系のソフトウェアなどはインストールから稼動させるまでのコンフィギュレーションが難解なものもある。これなら関連するソフトもなにも一度に導入される、システム個別の設定は自動のスクリプトかウィザードでできるようにしておけば、導入の敷居はかなり下げられるだろう。

 これを、Web2.0的ともいえるマーケットプレースにしてしまったVMwareの発想も面白い。ソフトウェアの運用形態はまったく異なるが、SaaSベンダーであるSalesforce.comのAppExchangeのビジネスに似ているような気もする。この方法だと、個人や中小といった体力のそれほどない企業などでも、いいものを作れば市場にたやすく参入できる可能性が出てくる。こういった試みで仮想化が気軽に導入でき、どんどん一般化することがVMwareの狙いなのだとは思うが、今後の仮想化の普及に拍車をかけそうな興味深い取り組みだと感じている。来年あたりは、ちょっと大きなサーバーだと、仮想マシンの1台や2台が普通に動いているようになるのかもしれない。

Comment(0)