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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ワクワク感がない

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 マイクロソフトの社長 ダレン・ヒューストン氏が、「日本ではITプロフェッショナルに就いている人間が幸せではない」と語ったとか。

 これは、マイクロソフトの新年度経営方針説明会での発言とのこと。ヒューストン氏が就任直後に発表した日本市場での3カ年計画「PLAN-J」は1年経過して順調に推移しているが、懸念事項としてデジタルインクルージョン(デジタルデバイドの解消)をどう進めるか、ITプロフェッショナルの地位向上、デベロッパー不足の3つを指摘したようだ。

 これらに対し、開発者とITプロフェッショナルの満足度向上にマイクロソフトは力を注ぐとのこと。最新技術動向の無償ワークショップを開催するなどの活動をおこなうとか。もちろん、それだけで満足度向上がなされるというわけではないが、大手ベンダーのトップからこういう方針が打ち出されることは、IT市場にとっては歓迎すべきであろう。「若いエンジニアがワクワクしてIT業界に入ってこれるような環境を構築していきたい」というヒューストン氏の発言が、現実のものとなることに期待したい。

 近年、ITの技術的な革新があまりないように感じている。驚きのハードウェアやこりゃすごいと言いたくなるソフトウェア技術が見あたらない。もちろん素晴らしい技術は溢れている。しかしながら、既存技術の延長にあるものが多いと感じ、ワクワク感を見いだせない自分がいる。

 IT業界で小さな小さな会社を経営していて、求人の際に、あるいは既存の社員に対しても、なかなかこのワクワク感を伝えられないもどかしさがある。自分自身がワクワクしていなければ、新しくこの業界で頑張っていこうとしている若者にワクワク感をもってもらえるはずもない。

 探求心であるとか、物事を素直に面白い、興味深いと思う気持ちを今一度思い起こさねば。歳を取ったせいか、最近どうも猜疑心のほうが先行してしまう。反省、反省。

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