生ラリー見参
訳あってOracle OpenWorld Tokyoの取材で、3日間国際フォーラムに張り付いている。1998年以来7年ぶりにOOW Tokyoのステージに立ったラリー・エリソン氏。昨年秋のサンフランシスコのOOWでは、眼鏡を取り出しメモを確認するといった姿を目の当たりにして、あの勢いのあったラリーはどこに行ったんだ、と思ったりもした。
今回のラリーは、かつての強気一辺倒が復活というわけではなかったが、比較的穏やかな表情ながら「No1を目指す」「セールスフォース・ドットコムとオンデマンドの市場で競合できてワクワクする」など随所に自信と強気の発言がみられた。プレスQ&Aでは、日本になかなかこられなかったのは、さくらや紅葉の季節ではないときにイベントが行われたからといったジョークもでて、かなり上機嫌でセッションをこなしていた。
今回の彼の機嫌の良さは何が理由なのかな、なんてことを考えながら話を聞いていた。私が想像するに、かれはテクノロジー・イノベーションがやっぱり好きなのだろうとうこと。とくにデータベースに関連する新しいテクノロジーの発表があるときには、嬉々とした表情になる気がする。昨年のサンフランシスコでのOOWでは、テクノロジーの話というよりはむしろビジネスの話であり、慎重に言葉を選んでプレゼンテーションをおこなっていたのかもしれない。
今回は、Oracle Secure Enterprise Search 10gという、新しいデータベース関連技術の発表ができたということで、機嫌良くプレゼンテーションをおこなったのではないだろうか。
このOracle Secure Enterprise Search 10g、競合はGoogleだ。MSもセールスフォース・ドットコムも、そしてオラクルもGoogleを意識しているということになる。オラクルはソフトウェア業界の買収劇はまだまだ終了していないという。業界がもっと成熟した状況では、ソフトウェア企業はさらに少なくなっているだろうとのこと。数年後の業界地図において、トップを走っている企業はいったいどこの企業なのだろうか。