採用しない理由
All Aboutの「はじめての転職」というチャンネルに「不採用の理由」というコンテンツがアップされている。今年の春に転職情報誌の「週間B-ing」でおこなわれた、人事担当者300人を対象にしたアンケートの結果をランキング形式でまとめたものだ。
じつは、経営に参画している会社で、4月から5月にかけて中途採用を実施した。昨今は、優秀な技術者は引く手数多であまり応募はないとのことだったが、さいわいにして予想を上回る60名近くの応募があった。そのときの弊社の不採用理由のランキングは、アンケート結果と微妙に異なる。もちろん、アンケート結果に挙がっている理由は、弊社でも合否に影響する。弊社の場合は、「小さなソフトハウスの技術者」という特殊な職業こその評価ポイントもある。
All Aboutのアンケート結果は、書類審査と面接が一緒になっている。まずは、書類審査の不採用理由を先に挙げてみたい。
・異様に学歴が高い
弊社のような小さなソフトハウスの場合、応募者の学歴があまりにも立派だと警戒してしまう。ここまで勉強してそれなりの会社に就職したのに、なぜに名もない小さなソフトハウスを選ぶのか。こんな場合は、応募の動機のあたりに「なぜ」の部分を包み隠さず記述して欲しい。
・転職回数が多い
回数が多い場合は、かなりの高い確率で不採用になる。弊社の場合業界経験年数にもよるが、5回くらいからかなり厳しい状況に。転職の回数が多いのであれば、「都合により退職」ではなく、具体的な理由を記述したほうがいい。
・応募書類の文字がきたなくて、読みにくい
さすがに色ボールペンを使っているものはなかったが、文字が汚いと感じているのならコンピュータ業界なのだからワープロくらい使って欲しい。ワープロを使いこなせるのも、開発者には必要なスキル。応募書類は体裁だけでなく、自己アピールのプレゼンテーション資料のつもりで力を入れて欲しい。一生懸命作成しているのがわかると、その人の「やる気」を感じる。
つづいて、面接時の不採用理由。
・覇気が感じられない
プログラマーという厳しい雇用環境のためか、身体を壊して前職を辞め休養後に再就職という方もいる。そんな場合ならなおさら、「やる気」を面接でみせて欲しい。緊張でうまく受け答えができないかもしれないが、質問に対して「経験がないのでできません」と答えるのではなく、「経験はありませんが、XXXといった指導をしていただけるのであればがんばります」くらいの受け答えを期待する。All Aboutの30位にある、面接での答に「とにかく頑張ります」が多い、となると行きすぎだが前向きな姿勢はみせて欲しい。
・しゃべり過ぎ
緊張のためか、とにかくよくしゃべる人がいる。ところが、こういう人に限って、何を言っているのか理解できない。質問がYES/NOを求めている場合には、まずはどちらか答えてその後に説明を。人とコミュニケーションがとれないのも困るが、プログラミング技術者の場合しゃべり過ぎはマイナスだ。
面接時は、じつは第一印象が一番重要かもしれない。第一印象が悪い場合に、それを面接のやりとりで覆すのはかなり難しい。今回の採用活動で感じたのは、経験年数が同じでも環境や実際にやった仕事で大きく差がでるということ。たった3年の経験で成長しているなという人もいれば、5年技術者をやっているのにまだまだだなと感じる人もいる。
さて、自分自身を振り返ってみて、経験年数に応じたスキルが身についているのか、ちょっと心配に。