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「教員免許更新制」廃止が決まった日の教員免許更新講習

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4月から埼玉工業大学に常勤の教員として勤務しています。
プロフィールをようやく更新しました。

さて、先日、「教員免許更新制」を廃止するまとめ案が示されましたね。

日本経済新聞「教員免許更新制、23年度にも廃止 指導力の向上なお課題」2021年8月23日

教員免許更新制とは、教員免許に10年の有効期間を設ける制度で、期限前の2年間のうちに、大学などで計30時間以上の講習を受けることを義務付けられ、約3万円の講習費用を自己負担するというものです。
安倍前首相の肝いりで始まったこの制度、「多忙化する教員の負担になる上、内容が実践的でない」と不評だったようです。

その教員免許更新講習を初めて担当することになり、まさに、その廃止のまとめ案が示されたその日、講習を実施しました。
廃止になることは現場ではもう早くから知られていて、そんな中、受講者のモチベーションはどうなのだろう?という懸念はありましたが、それでも、やるからには、有意義なものにしたいので、かなり前から準備はしっかりと進めてきました。

経営システムコースの教員3名で行った講習名は「社会の変化とその対応」。

埼玉工業大学 | 教員免許状更新講習「講習の内容および日程(令和3年度)」

私はその中で、「DX時代を生き抜くためのIT人材スキル」というテーマでの1コマを受け持ちました。job_technical_evangelist_ai_woman.png
DXとは何か、なぜDXが求められているのか、という話から始めて、「IT人材」とはどのような人材なのか、スキル面、マインド面から解説し、さらに、企業への情報システム導入のプロセスごとにどのような人が関わっているのかを紹介、最後に、小学校のプログラミング教育義務化でも話題になっている「プログラミング的思考」について取り上げるという濃密な内容です。
企業でのDXや教育の実例の紹介、ワークなどもふんだんに入れ、言葉や概念の理解だけでなく、腹落ちのする講習を目指しました。

いざ講習が始まると、当初の懸念は何だったのか、皆さん、真剣に受講されていて、ワークにも積極的に取り組み、あえて配布資料には載せなかった事例の紹介も、しっかりとメモを取られて聞いていました。

最後に、小論文のような筆記試験があるのですが、「終わった方は早めに退席して頂いて結構です」とお伝えした後も、誰一人、席を立とうとせず、多くの方が、時間ギリギリまで書いていらっしゃいました。
中には、解答用紙の欄外に、お礼や感想を書いて下さっている方もいて、感激です。一生懸命準備した甲斐がありました。
ぜひ、ここで学んだことを、今後に、活かして欲しいと思います。

多忙な先生方の負荷が増すのは良くないことですし、講習費用の自己負担も問題ですが、その辺は、今後、「教員免許更新制」とともに、発展的に解消されるとして、日常の業務を離れての研修(Off-JT)は、やはり大切だな、と感じたのでした。

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