メニューが無くなったマクドナルドとWindows8
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先日、娘と久し振りにマクドナルドに行きました。
娘はわたしがトイレに行っている間に先に注文していたので、わたしは、一人、他のカウンターに並びました。
わたしの順番が来て、注文をしようと思うのですが、さて、食べようと決めていたモノの商品名が分からない。
「チキンを揚げたのがはさんであって、チキンフィレオじゃないやつ」と店員の前でそう説明するのも恥ずかしいので、メニューを探します。
でも、どこにもありません。
そういえば、メニューが廃止されたって、ニュースがあり、オルタナティブブログでも、テクネコの加藤さんが取り上げていました。(てくてくテクネコ「マクドナルドのレジからメニュー表が消えた企業秘密を大胆予想」)
たしか、100円マックだった気がするのですが、カウンター奥の上部にあるメニューボードを見上げても、そこにはセット商品ばかりで、100円マックの商品は見当たらず。
まさか100円マックも無くなったのでは!?
カウンターの前で、なかなか注文できないわたし。
メニューを撤廃したのは、「メニューを前に悩む人をなくし、効率的にレジを進めるため」らしいので、「カウンターの店員も、イラッとしているのでは?」と思うと、ますます、商品名を訪ね難くなってきました。
後ろを振り返り、メニュー情報のあるポスターを探しますが、わたしの視力では、そこに何が書いてあるか解りません。
娘と並んでいれば、こっそり聞くことが出来たかも知れませんが、その娘は、注文を終え、既に姿は見えず。
一人注文できず罪悪感に苛まれるわたし。
でも、本当にわたしが悪いのか!?
そうじゃないだろ。メニューを置いてないのが悪いんだ。
開き直って、店員に、「メニューは?」と聞くと、サッとカウンターの下から、1枚っぺらの紙のメニューを出してくれました。
そこには、ちゃんと100円マックも記載してあります。
わたしの欲しかった商品が「チキンクリスプ」だったことも判明し、無事、「これ」と指差して注文できました。
そうそう、これ。
これがUI(ユーザインタフェース)の正しいあり方のように思います。
事前に注文したい商品名を覚えて、それをきちんと伝えないと注文できないなんて、まるで、コマンドを入力しなくちゃ操作できないMS-DOSの時代のCUIじゃないか!
WindowsXPまでスタート・メニューにあった「ファイル名を指定して実行」だって、Windows Vista/7では、無くなりました。そういうニーズが少なくなったからでしょう。
Windows8では、さらに進んで、スタートボタンすらありません。
Windows8では、派手な色をした長方形や正方形の「タイル」が並んでいて、今までのように、スタートメニューからツリー型にたどるのではなく、アプリケーションや機能を直接呼び出すようになっています。
大型家電量販店の店員さん曰く、より直観的な操作になった、とのこと。
・パッと使いたいアプリケーションが立ち上がる。
・すぐに商品を注文してもらう。
同じような目的で、ともにメニューをなくしたWindows8とマクドナルド。
UIの変更は、ユーザに大きな負担を強います。
Windows8のスタートメニュー廃止でも、ユーザーから戸惑いの声があがっています。
なぜ、スタートメニューを無くしたのか。
Windows8の場合は、従来のマウスとキーボード中心のUIから、タッチ操作を前提としたUIへの提案、と考えると納得ができます。
マウスほど細かい精度で位置を指定できないタッチ操作でメニューをたどっていくのは困難で、アイコンより大きな「タイル」でアプリケーションや機能を表示した方が、ユーザーが実行したい操作を確実に選ぶことができます。
一方、マクドナルドのメニュー撤廃は、従来のUIから、どう変わるのか。
メニューをなくしただけでは、わたしのように早く注文できない人も多いと思います。
マクドナルドの代表取締役会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏のコメント
(マイナビニュース「マクドナルドのカウンターメニュー廃止について、社長がコメント」)
を見ても、よく分かりません。
「B4サイズのメニュー表を渡す対応をとっている」そうですが、「一部店舗によっては不十分であったかもしれない」とのこと。
うむむ。たまたま、わたしは、その一部の店舗に当たってしまったのか。
しかし、仮にWindows8のPCで、メニューをなくした代わりのはずの「タイル」が表示されていなかったら、大問題でしょう。たとえ、それが、一部のメーカーであっても。
原田氏によると、
「(撤廃して)100点をもらうにはある程度時間がかかるだろう」
とのことですが、ユーザーが慣れるのをただ待っているだけでは無いでしょう。
今後の対応に期待したいと思います。
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