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事業の成否は立地。物件探しのポイント

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今回も、パソコンスクール開校ネタです。
「パソコンスクール業界」、「フランチャイズ」に続いて、第三弾の今回は、「物件探し」について。
事業の成否は立地で5割以上決まる、という人もいるくらい、物件探しは重要です。
フランチャイズだから本部にお任せ、という訳には、もちろん行きません。
フランチャイズの評価基準をよく理解して、自身で見極めることが必要になってきます。

物件探しは、よく「面・線・点」の3次元で捉えることが必要、と言われています。

「面」は商圏ですね。対象顧客がどれだけいるか。
わたしの場合は、主婦や年配の方々が主な顧客なので、ビジネスマンの多い都内の大型の駅周辺より、郊外の住宅街がいい、ということになります。
良さそうな路線・駅があれば、本部に依頼して、その商圏の総人口や世帯数、年齢の分布や、男女比、戸建住宅の割合などを調査してもらうことも出来ましたが、人口やその男女比、年齢層などは、市や区のホームページでも調べることができます。
わたしは、自宅からの通勤も考え、横浜市内を第一に考えていたので、横浜市統計ポータルサイトを良く使いました。
Yokohama_2


「線」は動線。駅近でも人が通らなければNGです。
スーパーなど人の集まるマグネットやバリア(商圏分断要因)との位置関係、通行量とその中身をチェックします。
実際に歩いて見て回ることが大事になってきます。
通行人の数だけでなく、どんな人が通るのか、時間や曜日を変えて、チェックしました。

「点」は地点。
図面等で確認できるものだけでなく、視認性や道路に対してどのように建っているかもチェックします。
中でも拘ったのは、1階路面店であること、そして前面サッシであることでした。
看板でアピールするだけでなく、中の様子を見せて、教室の雰囲気が外からでも分かるようにしたかったのです。
パソコンに全く自信がない人は、パソコン教室に習いに行くのにも、「わたしのような人でも大丈夫かしら」と不安になるものだと思います。そういう人に、教室の雰囲気を見せることで、来店の敷居を下げたかったのです。
もちろん、これは、本部の物件探しの基準でもあります。

実際に、わたしがやった探し方は、次のような感じです。
まずは、商圏データなどから、探し歩く「駅」を決めます。
「駅」で降りたら、スーパーや商店街をチェックしながら、実際に歩いてみます。もちろん、同業者が出店しているようなら、そこの位置もチェックします。
シャッターが下りているような空き店舗があれば、そこを取り扱っている不動産屋に行ってみます。その店舗自体は条件とマッチしていなくても、他に持っている物件で、良いものがあるかも知れません。
不動産屋さんには、なるべく具体的に希望条件を伝えます。わたしは、広さや賃料目安など、本部からもらった条件一覧のコピーを渡していました。
良さそうな物件を紹介してもらった場合は、時間と日を変えて、人通りをチェックします。
ある程度、人通りが確認できたら、本部に連絡して、見てもらいます。
実は、最初の頃は、どのくらいが適当なのか良く分からず、とりあえず、本部の人に連絡をし、感想を聞いたりしていました。本部からの細かい指標はあったのですが、その数値がどういうものか、感覚的に理解できなかったのです。でも、何度か繰り返すうちに、だんだん、見極める目が出来てきました。
でも、なかなか、希望にかなった物件は見つかりませんでした。
そんなときに、既存の教室を引き継ぐ話が出たので、物件探しは、結局見つからないまま、終わってしまいました。
では、物件探しは無駄だったのか、というと、そんなことはありません。現在の教室の立地的な強みや弱みがよく分かるのです。
これは、今後の広告戦略に活かしていきたい、思っています。

さて、不動産屋さんですが、条件を伝えると、最初から「そんな物件無いよ」という思い込みで接する人と、こちらの希望や意図をより知ろうとする人とに分かれます。
前者は、条件に近い物件があっても、ネガティブな紹介の仕方しか出来ません。
後者は、人によって言葉のニュアンスや優先度が異なることを知っていて、それを確かめるために、まずは物件を見せます。
IT技術者も、お客様からの要望に対して、それは無理です、と決め付けてしまう人と、実現のためのポイントを探ろうとする人と、分かれますよね。

あと、よく「親身になって対応します」なんていいますが、上から目線で同情しているに過ぎないんじゃないかなーっという場合が多いように思いました。
「1階の路面店、そこで、やりたい気持ち、分かりますよ。駅前がいいんですよね。皆さん、そう言います。でも、そういう物件は出てこないんですよー、(無知なんですねー)」
という感じで、結局、自分の視点・立場は変えずに、自分が持っている情報をレクチャーするだけ。
本当の意味で「親身」になるには情報収集と想像力が必要だと思うのです。
「1階の路面店ですか、駅前だと厳しいのですが、駅から少し離れても良いですか?郵便局の近くに、1件あるんですけど、その郵便局、午前中は年配の方がよく利用しているし、その通りは、夕方、お買い物に行く方がよく通るんですよ」
相手を知り、相手の立場ならどうすればいいか想像力を働かせてくれる。
こういう人なら任せたいなー、と思ったのでした。

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