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プラモデル化するレゴ

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Fortune 誌に「Toy of the century(20世紀のおもちゃ)」と賞されたレゴは、万人に愛される玩具として知られています。バリエーションも多く、根強い人気を保ち続けていると思っていたのですが、wikipedia の記録にもあるとおり、このところのレゴ社は大幅な赤字を抱えているのだそうです。

レゴの魅力は、なんといっても自由な発想で色々なものが組み立てられること。セットに入っている組み立て図面は、作り方の一例にすぎません。まさにクリエイティブなおもちゃです。これはプログラミングにも似ています。さまざまな命令を組み合わせて、新たなソフトウェアを作り出すのは楽しいものです。実際、.NET Framework においては配置やセキュリティの最小単位を「アセンブリ(組立部品)」と呼びますし、現在エンタープライズライブラリとしてまとめられている機能やサービスは「アプリケーションブロック」という汎用ライブラリとして提供されたのがはじまりです。

ところが、1年ほど前に読んだ「LEGO Mindstorms NXT の前途は明るいか?」というエントリによると、ほとんどの人はセットに入っている図面のとおりに組み立てて喜ぶだけなのだそうです。これは思い当たるところがありました。以前から、色々なシリーズものはありましたが、汎用的に使えるものが多かったのに対して、このところは BIONICLE のような独自キャラクタ、あるいはスターウォーズやスポンジボブなど人気キャラクタを使ったものなどが、かなり増えているように見えます。

要するに図面どおり組み立てる受身の遊び方しかしていない人が増えており、レゴ社もそれに呼応するような路線をたどってきているということのようです。まさにプラモデル化してきているわけですが、そうした市場はゲーム機に奪われ続けており、レゴ社が苦難の時代を迎えているのだそうです。私自身は、ゲームにもレゴにも(子供と遊ぶ、という以外の)時間を費やすことはなくなってきているのですが、クリエイティブな遊びが敬遠されつつあるのだとしたら、ちょっとさびしいですね(たんに劣化しないので、家庭内で飽和しているだけかもしれませんが^_^;)。

ちなみに、かなり前の米国旅行で、レゴの「コンパチもの」が売られているのを見て、その当時純正品にはなかった変わった色のものを買い集めました。それでわかったのですがコンパチものは品質がよくありません。たしかに安いのですが、ちょっとしたサイズのものを組み立てると狂いが出てきます。「製造誤差の許容範囲が0.002mm以内」というレゴの厳しい基準は伊達ではないと感じた次第です。

※永井さんの「プレミアム価格が付いているプラモデル」で書こうと思いついたのが、このエントリでした。

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