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サイトM&Aのデューデリジェンス

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前回のエントリーに続いてサイトM&Aについての考察です。

今回はデューデリジェンスについてです。

EC、広告、課金、情報サイト(集客目的としてのサテライトサイトの位置づけ)など、当然サイトにも収益目的から無料情報配信まで多種あります。

サイトを買ったときの付加価値って何かと考えると、そのサイトが所有している機能だったり強みだったりがあります。ざっくり言うと例えば以下の感じです。

・情報配信している(コンテンツ)
・新規顧客が集まってくる(SEO、口コミ、認知)
・既存顧客がいる(会員DB)
・購買までの導線を所有している(UI、プラットフォーム)

買収しようと思っているサイトが、これらを有しているのでぜひ購入したいということはサイトM&Aってマーケティングを買うということなんでしょう。

もちろん上記の要素がすべて充実したサイトは売りに出るケースは考えづらいので(会社特有の事情で売りに出すというケースは想定できますが)、強みと弱みが混在しているサイトが売りに出るケースが多いのでしょう。

例えばアクセスは多いがマネタイズ手法が弱いなど。

どちらかというと弱みのほうが圧倒的に多いサイトなんでしょうね。だからこそ自社事業へのシナジーを発揮するサイトを、いかににファインディングして調査するかが最初の重要な作業になります。

ただこれらの作業としては、既に既成事実として数値化されているものを元に考えるので、購入検討のレギュレーションと経験値で何とかなると思います。

問題は価格査定オペレーションだと思います。
この2つはサイトM&Aを成功させるキモでしょう。

そこで気になるのはやっぱりサイト売買後のサイトオペレーションです。

以前、ECをやっていた時に感じていたことはMD、ロジスティックも重要なんですが、ネット特有の販売企画が売上げに密接に関係してきます。

端的にいうと同じ商品でも売る人(=会社、仕組み)が違うと購買率で大きな差が出てきます。

あ る意味オペレーションは、もともとサイトを所有していた運営会社特有のものであり、その中には販売企画も含まれています。もともとの販売企画が良くなかっ たから売りに出されるというケースもあると思うので一概には言えませんが、サイト購入後、既存オペレーションが持っている強みをどう受け継ぐか?が非常に 重要な要素になることは間違いありません。

純資産、批准、DCFで査定するにしてもオペレーションを詳細にシミュレーションすることが大事です。

例えるなら、お金を生み出す可能性があるちょっと壊れたキャッシュマシーンを買ったけど、うまく動かない。そこで油を差したり、新しい部品を組み込んだりして動かそうとするけど、そもそもそこで使う油や新しい部品を自社で用意できるか?ということですね。

ちなみに不動産業界の中古市場には売主、買主の間に仲介業者がいます。
本来、仲介業者がサポートする領域と、アメリカにはバイヤーズエージェントという買い側をサポートするエージェントがいるのですが、これらの2つのサポート機能はサイト購入後、シナジーを発揮できないというようなケースを未然に防ぐ為にも本当に必要だと思います。

私自身も、現在はネットの新規事業のサポートをしていますが、業務の中にサイトM&Aが入ってくるのは必然の流れになってくると思っています。

ファインディング、調査、査定、契約、アフターM&Aまで買い側を援助する機能として今後企業をサポートしていきたいと思っています。

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