アプローチの視点をちょっと変えるだけで??
以前、テレビ番組とモバイルを連動させて事業として成立させるという案件をやっていました。
上流の事業計画(PL)から落としこんで、実際に現場も担当しました。
昔からよくあるのは番組内でモバイルコンテンツ化しやすい企画を実施して、それをモバイルからダウンロードさせるパターンです。これはキャリア公式課金システムを使います。
キー局だとテレ朝、フジ、TBSとか上手く集客出来ています。
古くは着メロから着うたがダウンローできるとか、ゲームアプリによる番組参加です。
さて、とある地方局の土曜日朝の情報番組で連動企画をやりました。
モバイル連動が視聴者にも徐々に浸透してきて、アクセスもそれなりに増えてきたのですが、いまいち爆発力がありませんでした。
しかしある日の放送で、今までの5倍ぐらいのアクセスを稼ぐことができました。
変えたのはひとつだけです。
どうやったかというと、それは「サイトへのアクセス方法をコンテンツにした」という施策です。
今までの視聴者心理は「モバイルにアクセスすると楽しそうだけど、めんどくさい」「モバイルでなんかやってるんだぁ」「別に着うたや画像、ゲームなんか欲しくないしな」というハードルがあったと思います。
視聴者はテレビをなんとなく見ているので、いくら番組で告知したところでサイトアクセスを喚起するのは、それなりのパワーが必要です。
例えばタレントパワー(人気)、番組パワー(視聴率)、稀少性パワー(お宝級)、チョー得するなどです。
そして何よりのハードルは「めんどくさい」です。
このハードルを超えるには相当の知恵が必要になります。
モバイルのアクセス方法自体はURLを打ち込むわけではないし、割と作業としては簡単なものばかりです。
がっ、それすらめんどくさいと思ってしまう視聴者心理。
実は私は、その日の放送でアクセス方法自体を長尺で作成し放送しました。
タレントがモバイルサイトにアクセスするというコンテンツにしたわけです。
つまり「アクセス方法のご紹介」ではなく「アクセス方法を主題にしたコンテンツ」です。
番組編成に関わってくるので毎回はできませんが、この日以降アクセスは順調に伸びました。
番組を見ていて、タレントがモバイルサイトへのアクセスを失敗したり、アクセスのやり方についてタレント同士が絡んでいると、視聴者も思わず携帯に手が伸びてしまうみたいです。
携 帯が世の中に出てきた頃に、初めて携帯を持った人は、用もないのに電話してみたり、目的がないのにネット接続してみたりしたと思います。その結果、無料の 公式サイトになんとなく登録してみたりして、ニュースサイト、道案内系サイト、占いサイトの会員数が爆発的に伸びました。
ネット接続して何をするか?が明確でなくて、ネット接続自体が目的になる。
こんなマーケティングアプローチも横展開できるかもしれません。