オルタナティブ・ブログ > 大塚秀樹の“マーケティングマインド”の醸成 >

技術で勝って、商売で負けていませんか?

各社が唱え出した文句の落とし穴

»

trap.jpg近年において、増えてきたキャッチフレーズとして多いのが、商品を販売している企業であるのにも関わらず、当該商品をあまり前面に宣伝で出さずに、あくまでソフト面やサービス面を出すというやり方です。

例えば、輸入車販売のヤナセがそうです。
コープレートスローガンとして、
「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている。」と盛んに宣伝しています。

目的はわからなくもないです。
単純に、クルマを右から左に売っているだけの面白みのない会社ではなく、自社のクルマを買っていただくことによって、あなたの人生を変えてみせます、という少し大袈裟に言えばこんなような打ち出し方をしているのだと誰もが想像できる訳です。

実は、ヤナセのやり方が決して例外ではなく、自社の製品を直接売り込まずに、ソフト面、コンサルティング面でのサービスを通じてお客さまが持っているニーズを満たして上げたり、問題点の解決に取り組むことによって、結果的に自社の製品を買ってもらう、という提案の仕方が増えているという訳です。

こうした取組みは何も悪いことではないのですが、よっぽど、自社内の営業担当の意識改革を図ったりスキルの向上を実現していかないとうまくいかないことが多いと考えているのです。

営業担当員の間でも、上述のような会社の方針を聞かされても、何のことか、何がしたいのかがさっぱりわからない、という困惑ばかりが広がることになりかねない、懸念もあります。

入社して以来、営業一筋〜十年というベテラン営業マンからしたら特に、何を今更、という考え方しかできない人もいるはずです。

いずれにしても、キャッチフレーズとしていかにも今の時代に合わせました、という文言を並べて終わりというだけなら、何の効果も期待できないということです。

Comment(0)