アベノミクスに成長戦略が足りない
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アベノミクスには、株価の上昇や行き過ぎた円高の是正など、それなりに成果は出ていました。
3本の矢である、
- 大胆な金融政策
- 機動的な財政政策
- 民間投資を喚起する成長戦略
のうち、特に上の2つが効いた時期があったからです。
デパートでは高額商品が売れ、訪日外国人が急に増えて爆買いというワードも生み出されたくらいです。
ところが問題は3つ目の「成長戦略」が物足りないということです。
既得権益をひたすら守っているような岩盤規制を無くすという踏み込みが不足しているのです。
例えば分野でいえば、農業や雇用分野などにおいてです。
安倍内閣の支持率が昨年7月くらいから急に下がってきました。
興味深いことに、日経新聞の芹川論説委員長の分析には、全国紙5紙にアベノミクスという言葉の出てくる記事を掲載した本数の減少と、当該支持率の低下には同じ傾向があるという指摘がありました。
「有権者が求めているのは経済テーマなのに、政権が懸命に取り組んでいるのは政治テーマで、そこにズレがある。」
「支持離れの一因は、アベノミクスへの政権の取り組みが弱まっている、と有権者が受けとめていることにある。」
以上のように同氏は分析しているのです。
いずれにしても、日銀による金融緩和(市中にじゃぶじゃぶマネーを供給すること)では一時的な景気への刺激策にはなるものの、長期的な経済成長を促すためには岩盤規制を崩すような成長戦略が何より必要であるのだと思うのです。
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