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飲食店のサプライズとゲーミフィケーション:塚田農場で考える(少しだけネタバレあり)

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手品で、鳩が出ますと言われて、鳩が出てもおもしろくなくて、
鳩が出ると思って、別のものが出て来たら驚きますよね。
誕生会と知らされず、いきなり誕生日を祝われたらビックリしますし、
印象に残りますよね。

一時期、テーマ性を持たせたレストランが話題になりましたが、
味が伴わずエンターテイメント重視、
メジャーになって定着とまではいかなかった気がします。
(監獄風とか忍者風とかいろいろありましたよね?)
テーマパーク風のところも楽しいけど味という意味ではなかなか難しいことも。

この塚田農場系の飲食チェーン店は、ゲーミフィケーションがすごいということで
いろいろブログ等でも話題のお店でもあります。
どちらかというと私はサプライズのほうが強いなと感じたので、
記録も兼ねてまとめたいと思います。

今回行って来たのは、塚田農場系の居酒屋「十勝新得 塚田農場」。
自社養鶏場を持っているのだそうです。

jidori1.jpg

お値段はそこそこ居酒屋としては高めなのににぎわっています。
低価格な居酒屋チェーンと違って激混みというわけでもないので、
ゆったりと過ごせました(日によって違うのかもしれませんが)。
店内もキレイです(比較的新しいから?)

そして、一番面白いなと思うのは、
サプライズがこれでもか、これでもかと仕掛けられている点です。

まずはお通し。居酒屋のお通しって美味しくないものが多いですよね。
ここのは、生野菜ではないです。作り置きのおかずでもないです。

一人一人あるモノが出て来ます。特別な装置を使って熱々で出て来ます。
普通は居酒屋でお通しにしない、意外なものでした。

その行程も見ていて楽しいものです。
結構手間をかけています。しかも身近にあまり売っていないものなので
驚きました。

ある料理A。想像したのと異なる盛りつけで出て来ます。
これも小さなサプライズ。

料理Bでは、途中から別の調味料を持って来てくれる
小さなサプライズがあります。

それから料理BとC(他にもあるかもしれません)
ではサプライズとして、下げた後に1品出て来ます。
器に残ったソース等を活用したものです。
これをやらなければ1品くらい多く注文してくれるのじゃない?
と思わせるようなモノです。

お金はほとんどかかっていないと思いますが
このあたりで「儲け主義じゃないな」「また来よう」という気持ちになっています。
(お値段は普通の居酒屋より高めなので、多分お店は損してないと思いますが)

名刺風なカードをもらい、昇進(次に来店)したら
指定の1品無料、半年無断欠勤だとリストラというシステムも紹介されました。
これはまさにゲーミフィケーション的な感じですよね。

私たちはデザートも注文していましたが、デザートの後に、
スプーン一口だけのミニデザートも出て来ました。
これもサプライズでした。(お腹に溜まらないので食べられる)

それから、気に入っていただけたら携帯にシールを!と
シールを持って来ます(貼らなくてもOK)
但しこのときには、いろいろなサプライズで気持ちよくなっていますから
すんなり貼る自分がいました。
多分お店に入ってすぐに「シール貼ってください」と言われたら
貼らなかったと思います。

そして、会計を済ませた後、エレベーターのところで
お店の人が追いかけて来ます。
ここでもお土産が(味噌ではないです)
これは自分的にはあまりうれしい感じではなかったですが。

住所など書かせて顧客リスト化しないのも好感が持てます。
実は飲食店のメルマガには迷惑しているので・・・
(アメブロ風の文体で大量に送られて来て、解除できなかったりするところも)

300円メニューの低価格の居酒屋が注目されていますが、
それなりの客単価でもやっていけるおもしろいお店だなと関心を持ちました。
客単価は4000円前後ではないでしょうか(お酒を飲んでデザートも食べて)

お金を払ってただ行った、単なる客の自分がついついクチコミしてしまう。
それだけのネタがちりばめられていました。
ここにビジネスのヒントもあるように思いました。
人の行動を相当研究しているのかもしれません。

美味しいだけだとクチコミのモチベーションとしては弱いけど、
おもしろかったから伝えたいという気持ちになります。

ネタバレの部分はあまり細かく書きませんでしたが、
もしご興味ある方が多ければ後日書きます。

それにしてもサプライズって本当に威力があります。
そんな訳で以前オルタナティブブログのほうに
あえてメニューにないサービスを。良い意味で期待が裏切られるとリピーターになる
というブログを書きました。

今日はそれの具体例のような話でした。







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