Gunosyには「メディアに対する思い」が感じられないから"飽きる"のかもしれない
尊敬する土肥さんが「なぜニュースアプリを使うと『飽きる』のか――原因は"釣りタイトル"(たぶん)」という興味深い記事を掲載されていた。Facebookにも書いたんだけど、僕はGunosyを作ってるのが「メディアの人」ではなく「エンジニアと広告の人」なあたり、けっこう違和感を持っている。
Gunosyには今のオフィスに引っ越す前、10人くらいだった頃に遊びに行ったことがある。やっぱ優秀な人たちだなーと思う一方で、僕としては不完全燃焼というか、率直に言うと「物足りなさ」を覚えた。インタビュー記事を組めるかなと思って遊びに行ったのに、その「物足りなさ」が原因で記事のイメージを膨らませることができず、取材をお願いするには至らなかった。
何が「物足りない」と思ったか。それは、「メディアに対する思い」だ。新聞だろうが広告だろうがウェブニュースだろうが、やっぱり作り手は思いを持って仕事をしている。僕も、昔は「アイティメディアの人」「ねとらぼの人」として、今は「一企業が持つ社内外のメディアの作り手」として、めちゃくちゃ誇りを持って仕事をしている。
僕はウェブメディアの作り手の現場を見て、尊敬する先輩たちの作った素晴らしいコンテンツが、ネット上における情報発信の未成熟さによって正しく評価されていない現状にもどかしさを持っていた。だから、GunosyやSmartNewsにはすごい期待していて、PVのために記事をパクッたり、くだらない情報を発信をしたりするメディアもどきを駆逐してほしいと切に願っている。でも、現実そうはなっていない。
Gunosyの中の人と話しても、盛り上がるのはアルゴリズムとかマネタイズの話で、メディアとしての話はどうも盛り上がらない。僕の勝手な理解なのかもしれないけど、面白いアルゴリズムを試す素材として、ニュースを使ったら良い感じのアプリができた。そういう話だった。
正直、今のままではGunosyはメディアの未来には絶対ならないし、そういう思いでは作ってないはずだから、「飽きる」んだと思う。SmartNewsには「メディアの人」である藤村さん(アイティメディアの元会長で、僕の最終面接をしてくれた人だ)がいるので、「思いがないから飽きる」と単純には言い切れないケド。
僕はGunosyをdisるつもりは全くなくて、Gunosyには優秀なエンジニアたちと、バランスボールの上で正座をする素敵なクリエイターと、野心的なスタートアップマインドを持った広告系の大人たちがいるのを知っている。だから、きっと結果は出すと思う。SNSの未来ではないと飽きられたGREEが、気付いたら違う角度から大成功していたことを忘れてないからだ。大型出資をしたKDDIも同じことを考えてると思う。
東京でも深くまで掘れば絶対に温泉がわくように、優秀な人たちが集まって死ぬ気になって働けば絶対に結果は出る。ただ、できることなら、僕はGunosyやSmartNewsにメディアの未来を見たいし、コンテンツが正しく評価される未来を実現してほしいと思ってます。