ソーシャルメディアは質より量
仕事を変えて、前より"ソーシャル"な会社で働いているはずなんですが、大人の事情があって、しばらくソーシャルメディアから遠ざかっていました。が、最近になってまたソーシャルメディアに関する相談を受けるようになってきて、思ったことがあるので、久しぶりに書いてみます。
相談を受けるようになったと偉そうに言ったところで、自分にできる特別なことなんて何もなくて、「目的は何ですか?」と聞くだけ。今も昔もこれからも、変わりません。
一般的に企業がソーシャルメディアを始めるきっかけって、流行ってるみたいだから、他社もやってるから、上司にやれって言われたから、(PVとか登録者数とかを稼ぐため)ほかに方法がなくて、やらないで後悔したくないから、、、などなど、どれもありがちなもので、そしてどれも失敗するのが目に見えています。
以前、トライバルメディアハウスの池田紀行さんが「ソーシャルメディアは魔法の杖ではありません」と仰っていたのが秀逸だなあと思っていて、「それでもソーシャルメディアなら......ソーシャルメディアならきっと何とかしてくれる」と考えて手を出す人が多すぎます。
まあ、だからと言って根本的に無理のあるサービスなりキャンペーンなりコンテンツなりを何とかするためにソーシャルメディアを頼ろうとしている人に向かって、いや、そもそもそのサービスって......と言うのも無理というか無意味だったりします。
ただ、フォロワー数とか「いいね!」数とか単純に数を稼ぐだけならいくらでも方法はあるんですよね。上司に稼いだ数を見せることが目的ならそれでいいんでしょうけど、たぶん上司が本当にやりたかったことは違うところにあるはずなので、一時のごまかしにしかなりません。
でも、僕は、まず数を稼ぐことが大切だと思っています。「ソーシャルメディアは量より質」とは言いません。量はあればあるほどいい。質は高めるものであって、そもそもの量がないところから質を高めることはできないのです。だから、「ソーシャルメディアは質より量」。そこから始めるべきです。
質は目に見えないから逃げ道があって、言い訳がいくらでもできるんですが、量はもう見た通りなので、言い訳はできません。そもそもの量も稼げないのに質を高めようなんて百年早いわという話でして。
よく分かってないけどソーシャルメディアに手を出してしまったという人は、どうやって量を稼ごうかと考えれば、目的の設定もやりやすくなるんじゃないかと思います。よく分かってない人が最初から"キズナ"とか"エンゲージメント"とか言い出しちゃうと、すごく、やばいです。