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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

どうしてこんなに違うの?~新聞の重要度

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 最近、東日本大震災が情報システムやその周辺分野にどう影響を与えたかの調査を行っている。その関係でいろいろ調査結果を集めたり分析しているのだが、とても不思議なデータに出くわした。

 大震災発生後に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、そして新しいソーシャルメディアへ対しての接し方や考え方を調査した調査結果が2つある。ひとつは野村総合研究所が3月に発表している「震災に伴うメディア接触動向に関する調査」という調査、そしてもうひとつは全国紙5紙が9月の防災の日に新聞広告モニターに対して行った「5紙共同防災意識調査」という調査。どちらでも、震災関連の情報を得るのに重要視しているメディアについて問うているのだが、震災後に重要視するようになったメディアの結果がぜんぜん違うのだ。

 野村総合研究所のほうでは、NHKがトップでポータルサイトとソーシャルメディアがその次に続き新聞社の情報は最下位で2.8%に過ぎない。ところが、新聞5紙のほうでは、新聞がNHKよりも上でトップなのだ。「重要度が増した」「まあ重要度が増した」をあわせるとなんと83.4%。新聞社のほうは5月にも全国紙4紙で同じような調査「4紙共同震災影響調査」を行っているが、こちらでも同じ結果で、新聞(86.2%)がNHK(85.0%)を抑えてトップ。

 同じような調査でこれだけ結果が違うのはとても珍しい。まあこういったアンケートというのは、調査対象にする母集団の特性によって結果がまったく異なるし、設問のつ作り方一つで結構結果が誘導できるものだ。今回の場合、ソーシャルメディアを今後伸びていく注目株にあげている野村総合研究所と既存メディアの雄である新聞社という調査者の事情が濃く反映されていると思って割り引いてみるべきなのだろう。

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