グループウェアに必要な機能と製品の選び方
最近ナレッジ系やイントラネット系の話を書いていなかったので久しぶりに。
実はここ最近私の元にまた社内イントラの見直しというかぶっちゃけグループウェアの更改の案件が増えている。日本でグループウェアと言えばLotus Notesだったが徐々にNotesからWeb系へ移行している事例も増えた。
そのLotus Notesは年明け早々にバージョンアップしたし、先日にはサイボウズオフィスもバージョンアップした。desknet'sもだ。それぞれのニュースリリースでバージョンアップ内容は確認したが、もはやどれにもあまり斬新なものは見られない。グループウェア自体はもう成熟して枯れてきた製品だと思って良い。
さてそもそもグループウェアおよびそのプラットフォームで実装される機能(言い換えればイントラネットの機能)を列挙して、私なりに最近のトレンドを一言ずつ補足すると以下になる。
===ここから
1) ディレクトリ
1-1)ユーザーや組織のマスター管理
1-2)認証・認可・権限設定
1-3)他ディレクトリ連携
最近のイントラネットではADやLDAPなど他のディレクトリとの連携がポイントになる。
2) メール
2-1)電子メールの受発信
2-2)振り分けやアーカイブ
2-3)一斉同報やメーリングリスト
2-4)不在通知や転送
2-5)スケジュールやワークフロー連携
2-6)管理監査機能
一斉同報やメーリングリストは以前より重要視されなくなっている。最近だとメールの監査機能や証跡記録、外部からのスパム対策や外部への漏洩防止機能などが必要になることもある。
3) メッセンジャー
3-1)状態通知や在席確認
3-2)メッセージ送信
メールよりも手軽に連絡する手段としてメール洪水治水の為には効果的なオプション、交換したメッセージ内容をログで保管するかは微妙なところ。
4) スケジューラー
4-1)スケジュール共有
4-2)グループスケジュール
4-3)招集や出欠確認
4-4)メールや設備予約との連携
国産のものと海外のもので最も差がつくのがグループスケジュールの機能。招集や出欠確認はあっても使われないことも多い。
5) 設備予約
5-1)予約
5-2)空き状況検索
5-3)利用統計の集計
5-4)メールやスケジューラとの連携
設備予約も細かい機能が沢山あっても使われない事が多い。ただ設備毎の利用統計を分析して効率的な会議や業務遂行に役立てているケースもある。
6) 通達・連絡
6-1)掲載期限設定
6-2)分類・カテゴリ分け
6-3)公開範囲や権限設定
6-4)掲載前承認機能
6-5)示達確認と未読者把握
最近では社員を膨大な通達や連絡から救うために内容や影響範囲毎にきちんと分類して発信できる事が重要。発信した通達を読んでいるかの示達確認やフィードバック受付が求められることが増えてきている。
7) お知らせ・掲示板・フォーラム
7-1)ツリー表示
7-2)文書の添付
7-3)公開範囲や権限設定
7-4)参加回答やアンケート
7-5)新規書き込み通知
最近だと書き込み通知はRSSで出力できると良い。お知らせ系だと社内セミナーへの参加申し込みボタンや選択式の簡単なアンケートが設置できると便利。
8) 文書共有・ライブラリ
8-1)文書の登録・保管
8-2)排他処理とバージョン管理
8-3)掲載期限管理とアーカイブ
8-4)検索
8-5)更新通知
同じく各文書の更新通知はRSS出力が望ましい。現実的には文書作成はファイルサーバで行い完成物をライブラリに登録するという運用が主流なので排他処理やバージョン管理はあまり必要ではない。
9) 簡易ワークフロー
9-1)文書やメッセージの回覧と保管
9-2)却下や差し戻し
9-3)委任や委譲
9-4)回覧状況把握、遅滞通知などの管理機能
9-5)フローのデザイン機能
ワークフローについては人事総務の申請関係やPC等のIT機器管理などの簡便なものをグループウェア上に実装するのは良いが、金銭が絡むようなものや複雑なルートとなる社内協議などは別にワークフロー専用システムで構築した方が良い結果になることが多い。
10) 簡易開発基盤
Lotus Notesが最も得意で優位だとされていた部分。グループウェア上でなにかを開発したいのであれば必要だが、最近だとWebアプリケーションで作った方が簡単な場合も多い。サイボウズのデヂエやドリーム・アーツのSm@rtDBなど簡易DB開発用の製品も充実してきている。
===ここまで
勢いにまかせて必要な機能を列挙した。グループウェアの更改を検討している方には役立てて欲しいが、一言申し添えると製品選定の時にこの全機能の一覧表を使って○×の比較表を作って選択するのはもはや良いやり方ではない。
グループウェアの使い込み方は各社毎に様々だ。そしてその中にはどうしてもそう使わないと業務上支障をきたすというのがひとつやふたつはある。そうした拘りポイントを少数(5ポイントくらい)に絞ってその機能の優劣で選ぶべきだ。どうしても自社のやり方にあわせないといけない部分で最もフィットした製品を選んで、その他はユーザが製品の標準機能にあわせて貰うのだ。
冒頭で述べたようにグループウェアはすでに成熟した製品分野で有名な製品であればどれも基本機能には差がない。移行直後には不満が出るかもしれないがじきに慣れる。
実はグループウェアの更改プロジェクトで最もお金がかかるのは、ライセンス費用ではなくカスタマイズや移行のコストだったりする。余計なカスタマイズや不必要な移行作業を極力減らして効率的な更改をして欲しい。