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提案力と呼ばずに適用力と呼べばどうか

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 このところシステム関係の提案についていくつかエントリーを書いているが、SIerや情報子会社(あるいはベンダー)に求められる提案力ってそもそも何だろう?ともよく考える。

 アンケート調査などを見るとこういう外部のSIerや情報子会社(あるいはベンダー)に期待する項目に、ITを活用しての業務改革の提案や新規事業の提案なんてのが良く上位に上がってくるが、正直私はこれについては眉唾物というか全く信用していない。だってそうだろう。子会社から提案された業務改革や外部の人から出てきた新規事業案を採用する会社って本当にそうあるのか。それは現実的にはいろいろあって提案されても実現されない可能性のほうが圧倒的に高いのではないか。それをリクエストするような人はセンスが無いかあまり考えなしにいっているような気がする。

 ちょっと乱暴な表現をするが、業務について一番良く知っているのは現場のユーザだ。残念ながら今の業務の事をユーザ以上に知っている外部の人(この場合ユーザ企業の情報システム部門も外部の人といっても良いかもしれない)というのは存在しない。外部の人がユーザより優れているのは、客観的視点とか複数案の比較の部分だろう。
 慣例で惰性的に行っている業務のやり方をチェックするのには外部の目は有効だ。またその業務について他企業ではもっと新しいやり方でやっているとか似たような他業務で過去に上手くやった手法があるだとかそういう部分も外部のほうが得意な部分であろう。

 そうなると外部から行って有意義な提案とは、基本は新しい技術の適用や他の業務に使ったアイデアの適用とか応用と言うことになる。ところがそういうのを持って行くと「使い回しの提案」なんて言われるのではかなわない。

 だったらいっそ言葉を換えたらどうなのだろうか。新技術適用についてとか他社先進事例応用の紹介だとかに。そしてこういう調査を行うときも「提案力」ではなく「適用力」とか「応用力」といった別の言葉を使うか、あるいは「提案力」とは選択肢を分けて調査するようにしてはどうだろう。

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Comment(5)

コメント

こんにちは
ごぶさたしております
興味深く拝読させていただきました
クライアントと話していてときどき感じることとして1点だけ、
現場の方々はその部門の業務を熟知はしていますが、企業全体の業務プロセスや特徴をすべて理解しているわけでもないので、理想論といわれればそれまでなのですが、IT組織・IT会社は、各業務を横断的・全体的に、情報システムを通じて鳥瞰する機能を果たすべきという考え方を私は持論として普段述べています。
各業務部門からすれば、所掌業務に関する専門知識や問題認識にはすぐれているものの、企業全体の業務プロセス最適化の観点から、改善・調整能力に長けているかというと、そこまでは期待できないのではないかと。つまりそれらの横連携や全体最適に関してはIT部門やIT子会社、もしくはその企業に一定の大きさで中長期的に貢献を果たしているSI会社等のITサービス企業に、期待していきたいのです。
・・・まあ、理想論といわれれば、そうなんですけど。

こんにちは。
エントリーを興味深く拝読致しました。
その上で、マーケティングの側面から気になる点をコメントさせていただきます。

>アンケート調査などを見るとこういう外部のSIerや情報子会社(あるいはベンダー)に期待する項目に、ITを活用しての業務改革の提案や新規事業の提案なんてのが良く上位に上がってくるが、
>正直私はこれについては眉唾物というか全く信用していない。

この点について、私もその通りだと思います。
インターネット調査の普及化とともに、様々な調査データを手軽に、いつでも見ることが出来るようになりました。反面、調査データのクオリティに『?』をつけたくなるデータも見られるような気がします。

あくまで私見になりますが、『ITを活用しての業務改革の提案や新規事業の提案』については、クライアントの希望として持っているものであるが、実際にシステム導入する際の現実的な『決め手』はまた別にあるなのかなと感じました。
既にシステムを導入した対象者に対して、『システム導入の決め手は何ですか』と聞いた場合、『ITを活用しての業務改革の提案や新規事業の提案』以外の現実に即した要素が出てくると思います。

『調査の設計』によって導き出される結果は大きく変わるのかもしれないですね。

MIS/EDPに提案するとしたら「ビジネス部門とのジョブローテーション」でしょうか?
自社のビジネスモデルやドメインを把握することが第一歩だと感じます。

トラパパさん
>現場の方々はその部門の業務を熟知はしていますが、企業全体の業務プロセスや特徴をすべて理解しているわけでもないので、理想論といわれればそれまでなのですが、IT組織・IT会社は、各業務を横断的・全体的に、情報システムを通じて鳥瞰する機能を果たすべきという考え方を私は持論として普段述べています。
 というのは、私も同感です。ユーザ側の恐ろしく視点が低い事に驚くことは時々あります。それを客観的に俯瞰視して指摘するのは、確かにコンサルの義務だと思います。

田中さん
>『調査の設計』によって導き出される結果は大きく変わるのかもしれないですね
 ご指摘のとおりこういうのは、発注者や調査者の嗜好が強く出るように思っています。
 で、例に挙げたアンケートはたいていユーザー企業の大会社の情報システム部門の立場にたって設計されているのではないかと。金は持っているけどメンバーはローテーションでITにあんまり詳しくない。そんな前提を感じているのは私だけでしょうかねぇ

課長007さん
 「ビジネス部門とのジョブローテーション」は解決案のひとつとは思いますが正直難しいですよね。
 理想を言うならユーザ企業のカリキュラムとしては、新人は最初の3ヶ月でITリテラシー研修。ここでPG迄書かせておいてそれから全員現場配属(IT部門には新人配属させない)その後3年後とか5年後とかでIT部門に適正人材を呼び戻すという形式のほうがベターだと思います。

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