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ブログを使ったクチコミマーケティングの考察

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 2つほど前のエントリーに書いたように今日は「クチコミの日」だそうである。どうもあんまり盛り上がってないようだが、折角なので関連したエントリーを書いて見よう。

 さて以前に書いたように8月の終わりにジャストシステムとはてなによるブロガーへの新サービスの説明会というものに参加した。これもクチコミマーケティング(ブログマーケティング)のひとつだと思うのだが、私にとって非常に楽しい経験だった。確かJR東海なども試乗会にブロガー枠を設けて同種の試みをやっていたと記憶している。こういう手法は、今はまだ一部の企業が試し始めた段階だと思うが、効果測定やより効率的な運営方法を模索しながら今後も増えていくと予想される。
 今回折角その場に居合わせたわけなので、個人的に調べられる範囲で今回の試みについて調査と考察を加えてみた。

記事化率の考察

 この手法の場合、主催者側からはブログに書くことや書く内容をコントロールできないのがポイントになる。で、気になったので今回の内容をブログの記事にしたブロガーを追っかけてみた。ざっと調べたところ、先日も紹介した小林さん以外に大西さんたつをさんそして上原さんが関連記事を書いている。参加者は全部で10名だったから私を含めて打率(記事化率)は5割ということになる。

 実はオルタナティブ・ブログには以前からブロガーズ・ミーティングという企業と事務局がタイアップしてオルタナティブ・ブロガーへの商品やサービスの紹介するミーティングを行い、それについて参加ブロガーが思い思いに記事にするという同じような仕組がある。私自身もこちらには過去3度ほど参加しているが、3回のうち記事にしたのは1回だけだ。ブロガーズ・ミーティングのページを見ると毎回4人から7人が記事にしているようだが、実際のミーティング参加者は平均10人程度だと思われるので、やはり記事化率は5割±1割程度が標準的なのだろう。ちなみにオルタナティブ・ブロガーズ・ミーティングの中でジャストシステムの回の記事化率が高いのは、浮川社長夫妻が出席された影響が大きかったのだと推測している。

#誤解をまねかないように言っておくと、これらの場ではブログに書くことは「できれば書いてください」とお願いされた程度で、強要されているわけではない。書くも書かないも全てブロガーの自由意志である。

記事の波及効果の考察

 もうひとつ、今回こうしてブロガーに書かれた内容が結局どれくらいの効果を呼んだのかの検証を試みてみる。今回のジャストシステムとはてなの場合、ブロガーへの先行紹介の翌日にはプレスリリースで該当新サービスの発表が行われている。このプレスリリースを各IT系のメディアが取り上げてニュースにしているが、これら各ニュースとブロガーが書いた各記事のはてなブックマーク数を調査したのが下記の表である。参考までにジャストシステム自身のニュースリリースやATOK紹介ページのはてなブックマーク数も掲載しておく。

Cgm
 この表を見る限りブロガーに記事にしてもらうことは、今回の新サービスの周知にはそれなりに効果があったと見てよいだろう。またひとりひとりのブロガーの影響力は小さくても5人合わせた場合の効果は、インプレスにはかなわないもののマイコミジャーナルの影響力はゆうに凌ぎ、CNET、ITmedia、ITproといった記事に取り上げられるのと同じくらいの効果があるということになる。

 ソーシャルブックマークの場合は、1人で興味のある注目記事を複数ブックーマークすることもあるので、一応この複数記事をブックマークした人の数を除いた数字も調べてみた。初ブックマーク率とでも言えばよいのだろうか、この数字は個人のブログのほうがIT系のメディアに比べると若干低い傾向になった。これについては一般に新しいサービスなどのニュースは公式メディアで知って、それについて詳しい情報を得ようとしたときに個人ブログの情報を参考にするという人のほうが多いと思うのでその現われだと考える。但し、ブックマーカーのうち数名は個人ブログのほうを先にブックマークしてその後にニュースやプレスリリースをブックマークしているようで、この動きを見るかぎり今回幅広い層のブロガーに記事にしてもらったことで日頃ATOKにあまり興味を持っていないユーザ層の掘り起こしができた可能性もある。

 冒頭に書いたようにクチコミマーケティング(ブログマーケティング)は未だ試行錯誤の段階でいろんなことを試す時期にあると思うので、個人的にも次回以降にもしまたこういった機会をいただけたらば、是非また分析と考察を行ってみたい。

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