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もう一度社内コミュニケーションについて考え直す

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 先日リアルコムの吉田さんがブログで、社内のコミュニケーションツールを4象限に分類して紹介していた。縦軸がコミュニケーションのリピート性(単発&継続)、横軸がコミュニケーションの方向性(片方向&双方向)になっているこの分類はわかりやすい。またブログ、Q&A、ディスカッションといった過去に企業内に導入され定着してきたツールのマッピング場所にも納得感が強い。
 もっとも、継続的&一方向にマッピングされた「ライブラリ」だけは、なんとなくいまいちピンとこないのでここのポジションにはまるツールをずっと考えたりもしている。例えば、「社内放送」なんてツールを思いつきながらも、これもまたちょっと違うかなーなんて考えたりするのだ。こうしてみるとやはり物事を考えていく際に、この4象限に分ける手法は手軽に発想しやすくて便利だと思う。(関連エントリー「みんなのマトリックスでPPM的4象限分類を試す」)

 さて社内コミュニケーションといえば、私も以前社内SNSの導入に関連して「社内のコミュニケーションが活性化した状態」とは何ぞや?」と「社内SNSは会社運動会の替わり」という2つのエントリーを書いた。その後あちこちから社内コミュニケーションの活性化の為の相談を受けていて、またいろいろと考えがブラッシュアップされてきた。そこで私もちょっとここでノウハウ(というかアイデア)を披露してみる。

20070528 同じく4象限に分けるやり方で、そもそも社内コミュニケーションを活性化したいといったときゴール目標が前向きか後ろ向きかを縦軸に、あとはコミュニケーションで流通させたい(あるいはコミュニケーションの媒介にしたい)情報の種類を横軸にとって分類してみたのがこの図だ。

 例えば、最もありがちなのは会社の戦略や方針を周知徹底して会社を前向きに動かして行こうというやつだ。当然この場合公式情報を流通させたいのだから発信するのは、公式情報をより沢山持っている人が率先してやる必要がある。社長ブログとか役員参加型SNSなんてのが必要になるだろう。同じ前向きでもより現場に近く直接的な効果を狙うのならアイデアや企画を育てる為の場作りということになって、この場合は別に公式情報でなくても余暇の話でも今朝のニュースの話でもアイデア発露の触媒になる情報ならなんだって良い。これはイントラブログがうってつけだろう。
 さて同じ社内コミュニケーションでもゴールが後ろ向きな場合もある。例えば社員や関係者が2チャンネルでいろんなことを書き込んでそれが噂になっているのを何とかしたいという場合。これは社内に匿名&ノーチェックの社内2ちゃんねるを作ってそこでガス抜きをさせるというようなカタチになるし、コンプライアンス違反を監査やホットライン以外でキャッチする為の道具として匿名掲示板を活用するという事だって最近はある。

 以前にも書いたが、ゴール目標もなく社内コミュニケーションを活性化するというのはありえないはずだ。だから最近顧客から社内コミュニケーションの相談を受けたときには、我々はこのチャートを参考にしながらディスカッションをして、ゴールを明確にするようにしている。

 さて今日からは「Business Blog & SNS World 07」が開催される。初日の今日は以前も書いたように弊社の佐藤が基調講演を行う。
 私も会場へは顔を出すつもりだ。展示会場などで今日紹介した4つの分類以外でのイントラブログや社内SNSの活用事例に出会えることを期待している。

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