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最高の社内検索エンジンを考える

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 別のメディアの記事で恐縮だが、ITproの記者の眼に日経コミュニケーションの河井記者の「最高の検索エンジンって何だろう」というコラムが載っている。元々の記事共々かなり面白いので紹介したい。
 日経BP社の雑誌日経コミュニケーションの4/15号では、エンタープライズ・サーチ特集が掲載されている。私も読んだが、こういった記事の中では珍しく単なる製品の羅列的な紹介ではなく、きちんと技術的背景や導入するユーザ側の視点に立った評価ポイントなどツボを押さえた内容で良記事だと思って感心していた。
#各製品の欠点や課題の部分へのつっこみが弱いことだけは最近の日経系記事に共通していてイマイチだが・・・

 この記事は、私も時々寄稿している同じ日経BP社のSaaS&Enterprise2.0というサイトでも、5/7~5/11に「社内版“Google”の正しい作り方」としても集中連載されている。もともとの記事のかなりの部分が読めるので、企業内検索基盤に感心がある人は読んでみると良い。

 コラムにもどるが、河井記者も書いているように、昨今のビジネスシーンでの検索環境では「見つからない」ことではなく「見つかりすぎる」ことのほうが問題になってきた。実は最近我々が行った調査では、検索時に感じるストレスとしては「ヒット件数がたくさん出てしまう」「開いてみないと役に立つかどうかわからない」「表示順やヒット件数が信頼できない」というのが上位に並んだ。
 調査では情報検索をあきらめる理由の6割が「時間がなくなった」とか「面倒になった」という傾向もわかっており、検索時のナビゲーション機能の重要性が裏付けられた。ちなみに社内情報の検索の場面では、大体3割のケースで情報が見つからなくて最終的にさがすことを諦めているという結果になった。他にも、「さがす」には「捜す」と「探す」の2つのパターンがあることも前に紹介したが、このうち目的が明確でかつさがす場所も手段も判っている「捜す」場合でも、情報がすぐに手にはいるのはだいたい50%程度ということだ。
 
 河井記者は「ポイントは検索ノウハウを持たないようなエンドユーザでも簡単に情報を絞り込めるような、支援機能」と書いているが、このあたりの分析と解決方法について、以前にこのブログでも「エンタープライズサーチはアルゴリズムの時代からナビゲーションの時代へ移った」としてちょっと書いたりもしている。しかしそういった工夫でもやはり限界があって、最近我々は企業内SBMという他のツールの利用も試し始めた。“最高の検索エンジン”への道はまだまだ険しい。
  
 最後に一点だけ警笛を。元の日経コミュニケーションの記事に「文書の整理をする手間をかけたくないから(エンタープライズ・サーチを)導入する」という話が載っているが、これまで何度かこうした企業内検索基盤を構築してきて私達が判った事に、企業内における情報到達コストを削減するためにはエンタープライズサーチの導入だけでは当初の狙いの5割から7割で程度しか達成できないということだ。やはり、ある程度の文書(情報)整理なくしては、「欲しい情報を欲しい時に欲しい人に」という環境構築は不可能だというのが我々の現時点での結論だ。

###お詫び

 当エントリーは2007/5/10の8:58に、一旦下書きの段階で公開してしまいましたが、その後推敲して再度公開しなおしたことをご報告します。
 その後更にタイトルが吊っぽかったので「最高の検索エンジン」→「最高の社内検索エンジンを考える」に変更しました。

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