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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

同一プラットフォーム上で多国展開する効果

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 内田さんの「MySpace - SNSのローカライズに意味はあるか?」というエントリーへコメントを書いていたら長くなってしまったのでこっちでエントリーとして記載。

 「同じMySpaceというSNSプラットフォーム上に各国の会員がいることに何の意味があるか」という疑問の提示に対して、まず私が思い浮かべたのは昔のパソコン通信。Nifty-Serveが始まったときにCompuServeへもアクセスできますよというのが売りのひとつになっていたことを思い出した。確かにあの当時も英語が堪能で米国の最新の動きに興味を持っている人はCompuServeへ繰り出していったのだろう。同じようにPEOPLEという日本IBMが運営したパソコン通信は、当時としてはたくさんのNews Groupにパソコン通信経由でアクセスできることを売りにしており私も当時それを目当てに加入してひとしきり楽しんだものだ(当時は個人のインターネット接続をサポートするプロバイダはほとんど無かったので)
 こうしてみると、同じプラットフォームに各国の会員がいることにまったく意味がないとは言えないと思う。ただなんとなくそれはあくまで少数派ではないかと私の経験が囁く。

 次に比較対象として思いついたのはMMORPGである。私はMMORPGは早い段階に卒業してしまったので最近の状況にはあまり詳しくは無いが、MMORPGにおいては、中で本来のゲームやシナリオを楽しむのではなく、そこにいる他者とのコミュニケーションを楽しむというユーザも一定割合はいるそうだ。MMORPGにログインすると皆が集まる広場などの片隅に集団で輪を組んで座りそのままずっとチャットをしているのを時々見る、アレである。
 最近のMMORPGベンダーは開発したゲームのメニューやナビゲーション部分を多言語化してそれを複数国へ提供している。この時も同じサーバ(世界)に各国のユーザを同居させるのか、それとも言語ごとに別のサーバ(世界)を立てるのかの2とおりがあるだろう。ベンダー側にはそれぞれにメリットデメリットがあると思うが、コミュニケーションを目的としたユーザの嗜好としては「このMMORPGには外人さんが沢山いるから参加する」というのはほとんど無いのではないか?このあたりのMMORPGについては誰か詳しい人からの補足やコメント等を待ちたいが、私はそう思う。

 となると、内田さんの言う「SNSを構築する時間を買った、あるいは、グローバル企業の広告配信ビジネスに目をつけた」というのが、今回同じプラットフォームを使った理由としては最も妥当だろう。

 2006/11/8 19:51現在「日本ではIDを現在あるマイスペースと共有せず0ユーザーからのスタート」という情報もあるが未確認である。

 でも、文中のそのCompuServeはその後AOLに買収されて、そのAOLは日本でパソコン通信が一通り普及した後に大々的に日本へ参入し、そして苦戦したことも私にはまだ記憶に新しい。私には今回のMySpaceがこのAOLに非常に重なって見えるのだが。

===2006/11/8 20:30

 内容に対してタイトルがちょっと扇情的だと感じたのでタイトルだけ変更しました

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