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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

コラボレーションを促進する世界の狭さ加減

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 ひとつ前のエントリー「社内SNSは安価なグループウェアなのか?」を書き上げた後に最近のSNSに関する意見をネットで調べていたら、なんとなくこの時期に同じような事を言っているいくつかのブログをみつけた。

 この2つのブログでは、ネットにおけるSNSはコミュニケーションツールとしては優れていることを認めつつも、ナレッジやノウハウの蓄積と共有には欠点があると指摘している。確かにSNSでは最初の発言はしやすいかもしれないが、せっかく表出化した知識やノウハウもクローズな環境内でのみの一過性の流通に留まり結局陳腐化したり、素晴らしい提言も日の目を見ないで埋もれたり、ささやかなアイデアが他の問題意識を共有する人の手によってブラッシュアップされる機会を逸してしまう可能性も高くなる。
 さて、これらの議論から派生して、IBM Lotus Notes/Domino (R) をこよなく愛して。。。。の岩間さんが「Collaboration環境の長続きの秘訣?」というエントリーのなかで以下の非常に興味深い仮説を述べられている。

 Collaborationの世界を維持するためには、ACLで守られた世界というのも必要不可欠な存在であり、それが新しい価値ある情報を産むかも知れません。

 直感的に正しいと感じる仮説である。これらはインターネットでの動きをきっかけに始まった議論だが、エンタープライズでもほとんど同じことがいえるのではないだろうか?特に岩間さんのいうコラボレーションを維持するのに適した守られた世界とか気心の知れた人にだけ話したくなるようなちょうど良い狭さというのが、エンタープライズではより重要だ。そしてその世界の狭さを設定するためのACLやその他の設定手段が必要となる。すくなくとも従来のNotes/Dominoに代表されるようなグループウェアで採用されるロールや組織グループを使ったACLでは「厳しすぎる」「柔軟性に欠ける」「いちいち設定していられない」ようだし、現在のSNSツールのような、“友達まで”“友達の友達”“全員に公開”という設定方法ではエンタープライズでは不充分といわれる。答えはこの2つの中間のどこかにあるはずだ。

 残念なことに現時点では私はこの答えについてまだ良い答えを持っていない。引き続き分析と考察を行うつもりなので、もし何かアイデアが浮かんだらまたこのテーマについて書いてみたいと思う。(続く、次回の時期未定)

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