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経営コンサルタントとして、企業支援を行いながら、発見した事象や、企業経営に役立ちそうな発見を書き記していきます。

ビジョン作りについて

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 はじめまして。8月から、Business Media 誠でコラムを執筆しはじめました笠井です。これから、ブログも始めていこうと思っています。経営コンサルタントとしてお手伝いした仕事を通じて発見した、事象・仕事に役立ちそうな気付き等を情報発信していきたいと考えています。

 企業のコンサルティングを行っていると、成長戦略を構築する業務が多く発生します。成長戦略立案時に重要なファクターとなる考え方に「経営理念」「ビジョン」「戦略」「現状分析」があります。


  「経営理念」:会社の創業者の思い等。不変的なもの

  「ビジョン」:未来の「こうなってもらいたいナー」と具体的に示したもの

  「戦略」:ビジョン達成に向けた行動計画

  「現状分析」:現状の自社の力や問題点など


 成長戦略構築の際に陥りやすいミスが、「現状分析結果」からの「成長戦略立案」とうプロセスです。私の経験からも現状分析を何度も積み上げたところで、成長戦略は生まれてきません。現状分析結果からの改善方向性を作ることはできますが、それが企業の成長戦略かどうかは別問題です。正しい成長戦略の作り方は、最初に「ビジョン」を作るところから始まります。「将来、こうなってなくちゃいけない!」と具体的にイメージをし、そのイメージを実現するための道筋を戦略に落とし込んでいくのです。

 ある企業での出来事ですが、その会社でまずは現状分析を行いました。「数値検証」「社員ヒアリング」「営業同行」「トップヒアリング」等です。現状分析作業を終え、報告書を作成しました。報告書は、「現状分析結果」と「成長戦略の方向性」を示唆する内容になります。メンバーの部下から出てきた成長戦略は「社員教育の徹底」でした。確かに先方の社長も同じような悩みを話しており、「社員教育を徹底することで、企業が発展します」というストーリーは間違いがないように見えます。

 ところが、私の答えは「NO!」でした。私が出した答えは「積極的な全国主要都市への出店戦略」です。全国出店を成功させるためのパーツとして社員教育は必要ですが、社員教育ができていないから、それを徹底したら成功する戦略では実現不可能です。具体的に、全国出店するためには何人の責任者が必要で、責任者にはどのような業務を担わせて、そのためにはどのように教育や採用をしていくのか?と考えていくのです。今の社員でそもそもできるのか?という疑問を抱くことになってくるので、新たな採用というアクションも起こってくるのです。

 ビジョン作りには、「考えて考え抜くプロセス」や「情報収集プロセス」が必要です。

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