PCとスマートフォンとメディアタブレットの出荷台数とシェアの関係
スマートフォンの出荷台数に関する"PCとスマートフォンの出荷台数の関係"を掲載後にGartnerからメディアタブレットの出荷台数に関する発表されました。すごくタイミングが悪かったです。と言う事で、この数字で再度リフレッシュします。
■出荷台数
■Gartnerの過去のメディアタブレット出荷台数予測(単位は千台)
Year | 2011.4 | 2010.10 |
2010 | 17,610 | 19,490 |
2011 | 69,780 | 54,781 |
2012 | 108,211 | 103,425 |
2013 | ||
2014 | ||
2015 | 294,093 |
(出典 Gartner)
2010.10にGartnerは、メディアタブレットの出荷台数に関して予想を発表していますが、今回の発表は少しだけ増減しています。これは、スマートフォンと比べれば非常に少ない数字です。
この推移を見る限りはメディアタブレットの勢いは、まだ現在スマートフォンレベルではないことを示しています。それでも3年で1億台に到達するのですから、無視できないガジェットであることには違いありません。
ここで少しだけ視点を変えて、スマートフォンとメディアタブレットを合計したプラットフォームのシェアを出してみます。
■スマートフォン・メディアタブレット合計シェア
2013/2014年はGartnerはデータを出していないのですが、それは2012年と2015年の間が均等に移行したと推測したグラフにしています(Googleスプレッドシートは間に空白があると線グラフが描けないのです)。
このデータの考察はいろいろ出来ます。私は、2012年から2015年に対して3大プラットフォームのシェアが大きく変更がないことから、2012年にスマートフォン・メディアタブレットのプラットフォームは固定化=混沌時代の終焉をあらわしているのではないかと考えています。
現時点ではいくつかの有力メーカの動向が不確かなため、必ずしもGartnerの予想が当たるわけではありませんが、モバイルガジェットのプラットフォームのシェア競争の終焉が2012年あたりから顕著になる可能性を秘めていると思われます。
このシェア争いに関して、3大プレイヤーを除く3つの陣営の行動が気になります。
まずはMicrosoftです。Windows PhoneでスマートフォンOSのシェア争いに巻き返しを狙っていますが、今のところAndroidに対して逆転する目があるとは誰も思っていません。また、タブレットタイプはARM対応のWindows NT版で出す方針のようですが、Windows Phoneと関係は、今のところアナウンスしていません。PC系OSのシェアNo.1の地位をうまくモバイルガジェットプラットフォーム争いに使えていない印象です。
WebOSで参戦するHPは、メディアタブレットのシェアに関しては3%程度しか取れないと予想されています。スマートフォンに関しては現時点ではトップ5入りはSymbian退場後でしょうが、今のところ明確なシェア及びシェア予測は出ていません。モバイルガジェットプラットフォームのシェアとしては2015年で5%を超えないと思われます。
WebOSは、他のプラットフォームとは違いPCにも搭載することをアナウンスしています。このため、PCからスマートフォンまで唯一統一できる可能性がるプラットフォームでもあります。世界一PCを販売してる背景を生かして、稼動プラットフォーム数は多くなる可能性があります。ですが、HPは未だにプラットフォームを自前で構築する実績がないため、うまくいくかはかなり未知数です。
PC世界CPUNo.1シェアを持つIntelは、Nokiaに袖にされた影響は計り知れません。現時点では、MeeGoでこの分野で一定のシェアを確保できると予想する人はいないでしょう。ですが、出荷台数を考えれば、PCだけではなくスマートフォンまで手を出さないとARM陣営に主戦場も侵食される可能性があります。守るよりも攻めるほうが相手に対してプレッシャーをかけることが出来るため、MeeGoやタブレット用CPUを製造して投資するのは正しい方向です。
とは言え、うまくいくかどうか未だに未知数です。同じx86陣営のAMDがAndroid開発者を募集していることを考えると、MeeGoに固執せずNVIDIAのようにGoogleと接触するほうがより効果的なような気がします。
乗り遅れ組みの3社に関しては、今後の動向次第で十分Gartnerの予想を覆す可能性はありますが、プラットフォーム固定化の期限が迫っているため早く打開策を出す必要はあります。Intel以外は2011年にある程度結果を残せれる様に見えますが、MicrosfotのARM版Windowsの投下は少し遅いかも知れません。
メディアタブレットの出荷台数はもう少し急激に上がるかと思っていたのですが、私の予想よりも緩やかです。ネットブックが流行った時代でも台数自体はそれほど多くなかったことを考えるとこの程度なのかも知れません。現時点ではスマートフォンとメディアタブレットはアプリ的には地続きではありませんが、両方に対応するソフトが増えていくでしょう。そのときに、モバイルガジェットだけで収まるのか、それともより広範囲に広がる(PCの守備範囲内に)のか、良く分かっていません。
ですが、数的にはPCを超えるプラットフォームが出来上がることは確かなため、今後PCの役割は低くなり、取って変わられるかも知れません。