Gartnerの発表している数字から不況の度合いを測ってみる part2
前回から半年が経過したため、Gartnerのデータを元にどこまで景気が回復しているのか考えてみます。
Gartnerは、サーバ、PC、携帯電話に関して出荷台数を出しています(サーバ出荷金額も出しています)。これらの前年同期比データQ1'06~Q2'09の出荷台数の前年同期比をグラフにしてみました。
このグラフから、いくつかのことが推測されます。
・携帯電話とPCには、底をうった気配が見える
・サーバに関してはプラス成長に戻る見通しは相当暗そう。
また、前年同期比のデータは、前年からの比較こそできますが前々年とは比較できません。そこで、上半期のデータだけを2005~2009年を比較したものも作成しました。サーバ、携帯電話、PCでは出荷台数の桁が違うため、1H05(2005年上半期)を100として各年の上半期の出荷台数を比率を調べました。
ここで、"なんだ、PCと携帯電話に限れば、2009年上半期は2008年よりも悪くても2007年よりは良いんだ"と簡単にはいきません。
PCはNetbookが流行したため、2007年よりも単価が下がった可能性もあります。このため、出荷台数比率=出荷金額比率にならないでしょう。携帯電話でも同様なことが言える可能性があります(スマートフォンの出荷台数を増えているため、もしかするとPCよりも金額ベースでは増えている可能性もありますが、GartnerはPCと携帯電話には金額を公開していないためよく分かりません)。
但し、サーバ市場に関しては、1H09は1H05よりも出荷台数が減っています。このため、サーバ市場の回復は相当時間がかかる可能性があります。
また、PC市場に関しては、高い確率でQ4'09は前年同期比はプラスに転じるのではないかと考えています。
その理由は、1H09が1H07に関して4%増で、4Q08が4Q07が2%増のため、現状のまま推移すればPCの出荷台数だけは、4Q09は4Q08よりもプラスなる可能性もあります。また外的要因として、4Q09はWindows 7の発売もあります。
現状とビックイベントで、4Q09のPCの出荷台数の前年同期比は、プラスになるのではないかと思われます。
2009年の前半の状況に戻るのは相当な時間必要だと思われますが、一部の市場に関しては戻る気配が伺える状況でしょうか。