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30分フィットネス「カーブス」純利益20億円の陰にかつての光:1分から読める注目の非上場企業の決算情報

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カーブス.png30分フィットネス「カーブス」純利益20億円の陰にかつての光、2015年12月4日の1分から読める注目の非上場企業の決算情報です。

第12期決算公告 11月30日官報96頁より

 当期純利益()は前年比

  20億3084万円+20%

 利益剰余金

  32億7975万円

 過去の決算情報

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企業情報

 企業概要

あの看板は世界一のチェーンだった!

カーブスジャパンは2005年に設立、女性専用のフィットネスクラブ「カーブス」をチェーン展開しています。ちなみに「カーブス」自体は米国のゲイリー・ヘヴィン氏が 1992 年に 創業したもので、世界 85 ヵ国でフランチャイズチェーンを 1 万店近く展開していて、会員数も 400 万人を有する世界最大のフィットネスチェーンです。その特徴は、従来のフィットネスクラブとは異なり「わずか30分予約不要女性だけ」といった点で、体を鍛えるのではなく健康維持を目的としており、実際カーブスジャパンでも会員のほとんどが今までフィットネスクラブに通ったことがなく、実に80%が50代以上となっています。

それは、盆踊りのような。

実際のトレーニングメニュー内容は、1日に必要な運動を全て30分で行うというコンセプトのもと「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」を順番に行うサーキットレーニングを実践しており、具体的には軽快な音楽が流れる店内で、円形に並べた12種類の機械(その中央にインストラクターがいて楽しくサポート)を順番に1つ30秒で回りながら筋トレ、1つ終わると機械の間に置かれているステップボードと呼ばれる板の上で足踏み体操、有酸素運動を行い、これを2周ほど繰り返したら、最後にストレッチして完了、という流れのようです。

プロテインでも50億円?!

また、マーケティング面の特徴としては(1)シャワー室や大きなロッカールームもないため、従来の店舗の10/1程度の広さで開業でき、住宅街や商店街のような場所でも比較的容易に出店できるため、中高年の主婦層でも気軽に通えること(2)出店後はそういった主婦層の集まる町内会の様なネットワークで宣伝集客をし、口コミを誘発すること(現在も新規会員の75%が紹介)(3)例えば、1週間来店が無かった会員には「ハッピーコール」をして一人一人にコミュニケーションをとっていくこと、といった基本戦略を徹底している点が挙げられ、比較的成熟してそうなフィットネスクラブ業界で僅か10年で、全国1500店舗、会員数70万人、店舗スタッフ6000人の日本最大級のフィットネスチェーンに急成長しています。ちなみに会員の15%が購入しているというプロテインの年商も50億円を超えており、市場シェアの30%で国内トップシェアだそうです。。恐るべしですね。

フィットネス業界に風穴が空く

今度はもう少し、ビジネス面の数字を詳しく見ていくと、フィットネスクラブ業界というのは上場している様な企業も多く、その中でもコナミスポーツクラブ頭一つ抜けていて、だいたい売上げ700億円&店舗数300くらいなのですが、2005年に設立、2008年には売上30億円だったカーブスが数年で売上げ160億円(5位)&店舗数1500(小規模なのでぶっちぎりで1位)という数字まで持ってきたことは、やはり驚異的な成長と言わざるを得ません。また、ここら辺は少し面倒なのですが「カーブス」は基本的に直営ではなくフランチャイズ中心の売上なので、ロイヤリティー収入分しか計上していない店舗が多く、おそらく実際の年商は400億円強くらいあり、おそらくコナミにはまだ及ばないものの、年商としてはその次くらいに入ってくる勢いかと推測されます。

なぜ、コシダカはカーブスを買収したか

そして、ここからが結構ビジネス的にも面白いところなのですが、「カーブス」を運営しているのはカーブスジャパンなのですが、カーブスジャパンはこちらも店舗数で業界1、2位を争う急成長の「カラオケ本舗 まねきねこ」を運営する上場企業コシダカホールディングスの子会社なんですね。で、「カーブス」は日本上陸当時、別の企業が日本でのFC権を請け負っていて、元々それ以前から興味を持っていたコシダカも、2006年から北海道でエリアパートナーとして参加、8店舗程展開していました。しかし、経営難でそのFC権を持っていた企業が「カーブス」を2008年に売却することになったのですが、そのポテンシャルに十分に手応えを感じていたコシダカが時価評価等を優位に進め、他社に先駆けてすんなりと20億円で入札できた、という経緯があります。

でも。。お高いんでしょう?

しかし、2008年というと急速に伸びていたとはいえ、カーブスの売上40億円&営業利益2億円、コシダカは売上130億円&営業利益7億円ほどでした。それが2014年ではコシダカグループの売上377億円&営業利益42億円、うちカーブスが売上160億円&32億円なので、これがいかにコシダカにとってクリティカルなM&Aであったかが窺い知れますが、一方で、2008年当時のコシダカの財務諸表を見ると、現金預金8億円しかなく、2009年の財務諸表を見ると2008年には5000万円しかなかった借入金が30億円以上に膨れ上がっており、おそらく借入で上記の20億円を賄ったことが推測されます。結果が分かっている今であれば借金してでもやるべき美味しいM&Aだと分かりますが、いくらポテンシャルを感じていたとはいえ、仲間内の桃鉄じゃあるまいしw当時としては相当思い切ったM&Aだったと言えるのではないでしょうか。

「世界一」×「日本一」>20億円?

そして、ここからは完全に個人的な推測ですが、このジャッジの裏にはカーブスのサービスとしてのポテンシャルに加えて、カーブスジャパンの経営チームがフランチャイズビジネスの凄腕揃いだったというのがあるのではないかと。実は上記で「カーブス」を日本に持ってきて手放した企業というのは、かのベンチャー・リンクでした。そして「カーブス」の譲渡の際に一緒にやってきた経営チームは現会長兼CEO(カーブス本体の役員にもなっています)の増本岳氏を始め、現COOの坂本氏、副社長の田島氏など、ガリバーや牛角、サンマルクやとり鉄を一から続々と上場に押し上げた、破綻する前のベンチャー・リンクが最も伸びていた頃の優秀な人材といえます。コシダカとすれば、自分達の実感としてもいけそうな食材と、その食材を扱えば最も上手く調理できる料理人が揃っている、と。それは一つ、大きく張ってみるか、といったところだったのではないかと。

「カーブス」はこのままいけるか?

で、目論見通り今期も純利益ベースで20億円、過去の業績も見事な右肩上がり&えげつないROEの「カーブス」ですが、あえて不安要素を探せば、かつて、ベンチャー・リンクが踏んだフランチャイズビジネスの轍を今回は踏まない、といったところでしょうか。それを一番経験されているのも、今の経営陣だと思うのでそれも無さそうですけど。それにしても、家の近くにもあるので何となく看板を見ていたのですが、なかなか凄い会社でしたね。

あ、おばちゃんから入って、一気に数字の話になったので、最後はカーブスの募集している川柳大賞のネタでサービスと客層が同時に想像できて面白かったのを貼っておきます。

「体重計 壊れていないか 米計る」

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決算数字の留意事項

基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。

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