日本の資本主義の発展を見守ってきた「帝国データバンク」が貫禄の経常120億円:1分から読める注目の非上場企業の決算情報
日本の資本主義の発展を見守ってきた「帝国データバンク」が貫禄の経常120億円など、2015年11月16日の1分から読める注目の非上場企業の決算情報です。
第30期決算公告 11月13日官報82頁より
売上高()内は前年比
49,354百万円(+3%)
経常利益()内は前年比
12,066百万円(+22%)
当期純利益()内は前年比
7,339百万円(+28%)
利益剰余金
54,275百万円
過去の決算情報
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企業情報
企業概要
株式会社帝国データバンクは、企業を対象とした国内最大手の信用調査会社です。「現地視認」を調査の中心に据えており、現在の国内事業所80ヶ所以上、従業員3200人中1700人が調査員となっています。歴史はその名前の通り日本がまだ大日本帝国だった、1900年に創業者の後藤武夫氏が、福岡日日新聞記者を経て、帝国興信社を設立したところからスタートしています。
日本で資本主義が成立したとされる1890年代、企業勃興の急速な進展を受けて、既に「日本資本主義の父」渋沢栄一の作った「東京興信所」と「商業興信所」(大阪)が開設されていましたが、両社はいずれも日本銀行からの補助金や助成金など資金援助と地元有力金融機関の共同出資によって発足したもので、民間として独力で創業された同社は、最初立ち上げに苦心し、現に渋沢栄一に援助の申し入れに行った時も「信用調査事業はまだ世間でも認められていないから、個人でやるのは無理だ。悪いことは言わん。やめたまえ」と断れています。ちなみにその時とその後のエピソードも面白いですね。
そして、当初の苦難を経済専門紙事業等でしのいでいた同社に転機が訪れます。日露戦争(1904~05年)後の戦勝景気に沸き立った経済界で企業設立ブームが起き、信用調査のニーズが発生し始め、同社に対する調査依頼は急増し、ようやく事業は軌道に乗り始めます。その後、順調に業績を伸ばし、明治が終わり、大正年間を挟み、昭和へと移行する過程で、両社と当社との差は次第に縮まり、よ上記の2強体制からその一角に同社が食い込む3強体制へと進んでいます。
その後、先発2社は戦時経済統制が強化される過程で、合併して「東亜興信所」となっていますが、戦後の財閥解体に伴って銀行の後ろだてを失い、急速に凋落、表舞台からその姿を消しています。代わって、戦後復興、高度成長を背景に後発・新興の調査機関が台頭し、激しく追い上げられたりもしたようです。
しかし、1968年に業界に先駆けてコンピューターを導入、1972年には企業財務データのデータベース化にも対応、更なる事業の拡大に成功し、1981年には現在の「帝国データバンク」に社名を変更、同時にそれまで請け負ってきた結婚調査・雇用調査等の個人調査は廃し、業務を企業信用調査に特化させ、現在の同社の形態になり、現在でも最大手として、企業信用調査データを中心とした様々なサービスを提供しています。
ちなみに、「赤ひげ」や「椿三十郎」の時代小説家、山本周五郎も実は同社のOBだったりするところも歴史を感じさせますね。
その他企業情報
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決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。
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