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社員の時に見ていた店の状況、オーナーになってから見ている店。見ている方角が違うとこんなにも違うコンビニの光と影。お客様とは何にも関係無いところで巻き起こるあれやこれ。(笑

「損して得取れ」とも言うが「タダより高いものはない」とも言う

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近年、ノマドワーキングというものが脚光を浴びているようだ。
当誠ブロガーの安齋氏も『【コラボ企画】電源のあるカフェに欲しいモノをブレストしてみた』
『ノマドワーカーのオフ会に参加してきた』
という記事を書いている。

しかし、「カフェを利用する多くの人がモバイル(携帯・PC)活用者なのに、なんで電源貸してくれないことが多いんだろう」という意見をTwitterで見た。「電源を貸したほうが顧客吸引となるはずだ」と言う意味だ。私自身も外で仕事するときにモバイルPCの電源確保に困ることが多いので、このつぶやきに賛同する側ではあるのだが、これら電源を貸してくれない店を「不親切な店」で終わらせるには、私は経営者として経営の裏側を見過ぎたようだ。

では、この不親切な店は何故電源を貸してくれないのか?
2つの理由が想像できる。
①単なる不親切
色々なことがあったのでしょう。「お客様は神様」と思い、始めた経営。ところが神様どころか悪魔のような人が中にはいるものです。徐々に親切という言葉を忘れ、親の敵のようにすら思うようになりかけた自分の心と、私も幾度と無く戦いました。
そんな時に、「電源貸してくれますか」と、言われようものなら「電気はタダじゃないんだよ」と、口に出さずとも思ってしまうだろう。
コンビニでもよくある「ビニールの袋下さい」と。「はぁ~、環境問題とか考えてるの?それに家庭ゴミ入れてウチに捨てるの?ごみ処理代もビニール袋もタダじゃないんだよ!!」なんて口が裂けても言いませんけど(汗
もちろん、ビニール袋代など1枚1円程度だし、電気代もたかが知れていると言えばそうですが「そんなことを考える余裕すら無くなっているんだろうなぁ」と、客商売の難しさを改めて思う次第です。

②座席回転数
おそらく多くの店では、このことを気にしているのでしょう。PCを開いて仕事なんかさてたら客席が開かず売上が立たない。これが電源を貸さないお店の最大の理由だと思います。
飲食店は、座席回転が売上に大きく関わります。
1人当りの食事代金は店毎に大きく変わりはないでしょう。お客様が来店しても席が無くては売上になりません。特に昼食時間は、座席回転数が頼りです。昼食時間には限りがありますからねぇ。そこに、PCを開いてのんびりとしていられたら売上にならないのです。

しかし、経営者の皆様。特に、飲食店経営の皆様にとっては、このノマド族を無視してはイケません。モバイル機器の発達につれノマド族は多くなってきます。Twitterでつぶやかれた通り電源を貸さないというだけでお客様を逃したくはないでしょう。
「損して得取れ」です。

そこで提案です。
◯ピーク時に来店客数がいっぱいのお店はアイドルタイム(暇な時間)のみ電源貸し出しをしたらいかがでしょうか。我々経営者はアイドルタイムの撲滅を考えていかなくてはなりません。電源を貸すことでアイドルタイムが半分に減るのであれば、貸すべきなのです。ピーク時に使われるようなら、お客様にハッキリ理由を言えばいいのです。お客様も鬼ではありません!たぶん、きっと(笑

◯それでもコストが気になるのであれば、席の電源を別ブレーカーで管理して料金を徴収したら良いかと思います。ピーク時には消すことも出来ます。もちろん、設置にはコストは掛かるでしょうし、料金を徴収するからには、また別のサービスを付随しなければ、商売にはならないでしょうけど。
電気関連会社さん目の付け所ですよ!時々見かける携帯を充電する自販機みたいなやつ。100円で1時間電源が使えるような機器が出来たらお店も助かりますよ。ひょっとしたらもうあるかな?

たかが1円でも、タダのサービスは無いのです。むしろ、「タダですよぉ(ニコッ」なんて言っているお店の方が疑わしい。商品代に電気代以上を上乗せしている可能性がありますよ。←どんだけひねくれてしまったんだ俺は(汗
タダより高いものは無いのです。

私も確定申告の時期は、店にいるとちゃちゃが入って進まないのでノマド族になります。電源カフェが増えたら大変嬉しいです。ノマド族の皆様においてはマナーを守ることが電源カフェを増やすことになるでしょう。

ノマドワーキングと聞いて、当初「のまネコ」の仕事術ってなんだろう?と訳のわからないことを考えていたコンビニのおっさんでした。
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