オルタナティブ・ブログ > とあるコンビニオーナーの経営談議 >

社員の時に見ていた店の状況、オーナーになってから見ている店。見ている方角が違うとこんなにも違うコンビニの光と影。お客様とは何にも関係無いところで巻き起こるあれやこれ。(笑

学べる店舗数値力4『前年比その3、そして構成比』

»
他人の子供の成長は早いと感じませんか?先日、アルバイトの息子さんが来店しました。ちょっと見なかっただけで大きく成長しており、ビックリしたことをアルバイトに伝えると「そうですかぁ?」。毎日見ている子供の成長は意外に気が付きにくいものです。

前年比(%)=(今年の売上÷去年の売上)×100
前年比とは、その日常気が付きにくい変化を気づかせてもらえる数値なのではないでしょうか。近隣の変化、顧客の変化、市場の変化、自店の変化気付きにくいそれらの変化に眼を向けることで、店舗を見直していきましょう。

前回、予算作成時に使用した「構成比」。これについての説明が抜けていましたね。構成比とは、見ている数値が全体からどれだけの幅を持っているのか?ということですね。りんご5個、バナナ3本、みかん2個。みかんの構成比は全体の20%となるわけです。
計算式です。
(構成比を求めたいモノの数値÷全体の数値)×100=構成比(%)
今回はこの2個の数値を使用して、立てた目標の追いかけ方を書いていきます。

目標を追いかけると言っても、売上とにらめっこするわけではありません。目標が達成出来るように、数値を見張ると言った方がイイでしょう。私の場合、目標が達成している時は動きません。
前回立てた目標は、週次の売上ですね。ですから、1週間経った時に数値の確認をします。そこで、売上が目標よりマイナスだった場合にアクションを起こします。

◯マイナスを取り返せるカテゴリーを探せ
よく有りがちなのは、目標に達してない要因を探そうとすることです。しかし、それは言い訳にしかならないからヤメておきましょう(もちろん外的要因は別の話ですが)
言い訳を探すより、今のマイナスを取り返せるモノは無いかを探した方が建設的です。目標を立てた時の、重点施策について計画通りだったか否かの検証は必要でしょうが、仮に失策だったと判ったとしても、取り返しはつきません。失策だったと判ったら、次の策を練ればいいのです。

◯新たなる作戦は構成比の高い順に探せ
売上のマイナスをカバー出来る作戦は売上構成比順に探した方が効率的ですね。カテゴリーを売上構成比順に見ていき、前年比の低いモノを見てみましょう。
見つけたら、そのカテゴリーの潜在能力は現在出し切っているのか、考えてみてください。前年比が悪くてもそれ以上伸びないカテゴリーもあります。例えば現在の煙草などは頑張ったところで数値を稼ぐことは出来ないでしょう。

◯目標の立て方
作戦が見つかったら具体的な目標に変換します。
例;パンの売上を100%以上にすることで、今週分の売上マイナスが取り返せるとしたならば、下記の計算で売り上げ目標を立てます。
週次売上マイナスは30,000円です。パンのカテゴリーが前年も悪く、潜在能力が高いと見たとしましょう。
現状、パンの売上が140,000円。前年比93%。
□前年の売上を算出
140,000円÷93%=150,538円
□前年との差額を算出
150,538円-140,000円=10,538円(1日当り1,505円)
□現状のマイナスと比較
この金額が前年比100%にする為の足らなかった金額です。
この金額を週次のマイナスと比べて何日で取り返すかを考えていきます。
仮に、1週間で30,000円のマイナスを取り返そうとした場合。
30,000円÷7日=4,286円。これじゃ、仮にパンの潜在能力が高いといっても無謀な目標ですね。では、3週間で取り返すことにしましょう。
30,000円÷21日=1,428円これなら、パンのカテゴリーを前年比100%に引き上げればマイナス分を取り返せそうですね。
現状パンの売上が1日当り20,000円です。すでに10,538円マイナスです。かつ、トレンドで1日当り1,505円マイナスですから、
10,538円÷21日=502円
30,000円÷21日=1,428円
20,000円+1505円+502円+1,428円=23,435円
今後、パンの売上を1日当り23,435円にすれば、売上のマイナスを取り返せるということです。(もちろん、現実はこんなに単純じゃないのですが)

◯販売イメージまで落とし込め
では、現状より3,435円売上を伸ばすには何をするべきでしょう。
まずは、この3,435円を個数に変換しましょう。パンの平均単価が120円だとすれば、3,435円÷120円=29個となります。
この29個の販売をどの商品で伸ばすかを考えていきます。売り上げ順位が上位の商品で欠品している商品は無いだろうか?他店舗で導入されている商品で、当店に採用されてない商品は無いだろうか?それらを考えた時に、29個の販売増が見込めるのかを計画立てていきましょう。イメージが湧かない場合は現実的な計画とは言えないでしょう。他にも伸ばせるカテゴリーは無いのか探してみてください。

目標はあくまでも目標です。運用していく中で未達となることが沢山あるでしょう。しかし、立てた目標の達成を諦めたらそれで終わりです。諦めるくらいなら最初から目標を立てる必要は無いのですから。諦めずにやっていくことがビールを美味しくするのです。


Comment(0)