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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

若者の早期退職についてキャリアコンサルタントが思ったこと

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あるエッセイで、「若者が早期退職するのは成長のため」という趣旨の記事に触れ、若者を応援したいと書かれているのを読みました。

「成長のために早期退職する若者を応援したい」という見方自体は、温かい目線で間違いではないと思います。 合わない職場で心身を壊す前に離れること、若いうちに方向転換すること、自分の可能性を広げることは大切です。

早期退職する方の中には、モラハラやハラスメントを受けて心身の不調につながっている場合もあるでしょう。そのような場合、退職は「逃げ」ではなく、自分を守るために必要な対処だと思います。

ただし、私は一方で、"成長のため"という言葉だけで早期退職を美化するのは危ういとも感じました。

特に気になるのは、次のようなケースです。

  • 「この会社では成長できない」と言いながら、実際には何ができるようになりたいのかが明確になっていない。
  • 「もっと自分らしく働きたい」と言いながら、基礎的な仕事の型や対人調整力を身につける前に辞めてしまう。
  • 「環境を変えれば成長できる」と考えているけれど、次の環境でも同じ壁にぶつかる可能性を見ていない。

これは、"何も身につけないまま成長を理由にする"ことの危険性です。

もちろん、早期退職が良い方向に働く場合もあります。 たとえば、明らかなハラスメントがある、教育体制が崩壊している、心身に不調が出ている、仕事の内容が本人の志向と大きく違う、次に学びたいことや進みたい方向がある程度見えている、という場合です。

この場合の退職は、必要な対処であり、前向きな方向転換にもなりえます。 早期退職そのものは悪くないと考えます。

しかし、"成長のため"という言葉だけで肯定するのはリスクもあります。 本当に大事なのは、退職前後に何を学び、何を次に持ち越すかではないでしょうか。

「成長」は、美しい響きがありますが、内実はとても曖昧です。 本当の成長には、たいてい次のようなものが含まれると思います。

  • 自分の弱点を直視すること。
  • 仕事の基礎を身につけること。
  • 合わない環境を見極めること。
  • 他責と自己理解を分けること。
  • 次の場所で同じ失敗を繰り返さない準備をすること。

若者が早期退職することを責める必要は、もちろんありません。 一方で、「成長のため」という言葉で退職を美化しすぎると、仕事を通じて身につく基礎や、壁を越える経験まで失ってしまうことがあります。 大切なのは、辞めるか残るかではなく、その選択から何を学び、次にどうつなげるかではないでしょうか。

モラハラやハラスメント等で退職する場合、早期退職は自分を守るための必要な対処です。 しかし、単に「成長できないから退職する」という場合は、一度立ち止まって考えてみてもよいと思います。

会社は学校ではありません。 会社にすべてを教えてもらうことだけを期待してしまうと、環境を変えても同じことの繰り返しになりかねません。 そのうえで、もし心身の安全が保たれている職場であれば、会社に貢献できることは何か。今の環境で学べることは何か。本当に環境を変えないと自己実現できないのか。

そうした点を一度整理してみることも、将来の見通しを持つうえで役立つのではないかと感じました。 そうした点も検討してみると、将来の見通しを持てて、より働きやすくなるのではないかと感じました。

【言いたかったこと】

早期退職そのものを責める必要はないが、"成長のため"という言葉だけで美化せず、何を学び、次にどうつなげるかを考えることが大切。

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