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仕事に絡んだ四方山話などを徒然にと思いつつも、読んで興味深かった本ネタが多くなりそうでもあります。

【ブックトーク】市民を育て、町をつくる/『つながる図書館』

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 確か“Gunosy”経由で『走れ!移動図書館』とあわせて知り、新年早々になんとも印象深く残った一冊となりました。現在の私自身の興味がこの辺りを漂っていると言うのもあるでしょうが、あらためて“Gunosy”の便利さを実感しています。

 『つながる図書館』(猪谷千香/ちくま新書)

 “図書館は私の書斎だ”、そんな風に言い切る著者・猪谷さん、その方が、ただの“無料貸本屋”ではなく、あくまで「利用者に寄り添う“情報サービス”機関」として変化をし始めている図書館たちについて取り上げた内容となっています。

 確かに“本”は古くから慣れ親しんできた情報資源(メディア)の一つですが、それが全てではなく、最近では、新興のデジタルメディアもその収集対象となりつつあります。

 “『知識は万人のものである』ということ。”

 その根底にあるのは、「図書館の社会的使命は様々な“情報資源”を収拾し、必要とする利用者に情報を提供すること」との点でしょう。

 それらを語るための題材として取り上げられているのは、「武蔵野プレイス」「千代田図書館」「小布施町まちとしょテラソ」「鳥取県立図書館」「武雄市図書館」「伊万里市民図書館」「国立国会図書館」「飯能市立図書館」、そして「島根県海士町の図書館」など、全国から多種多様に。

 “利用者目線からいえば、図書館にカフェや書店があり、
  夜まで開館していることは無条件にうれしい。”

 中でも武雄市はTSUTAYAとコラボしたことで、賛否両論入り混じりながら話題になっていたのでご存知の方も多いかと思います。もちろん、個人情報の取り扱いや公共性の担保、商業施設との棲み分けなど、懸念点も多く指摘され、実際に問題にもなっています。

 それでも、まずはやってみないと分からないだろうと言うのが、個人的は思います。

 “この十年で全国に広がりつつある
  図書館による地域の課題解決のためのビジネス支援”

 なお、武雄市図書館の集客力は飛躍的に高まり、宿泊客や車での観光客などのシャワー効果で地域経済にも影響を与えているとのこと(試算で年間3-4億)。地元だけではなく、市外・県外からも多くの方が来られていて、これは非常に興味深い現象です。

 ただ、武雄市のこの成功は指定管理者制度の“功”の部分でしょうが、同時に、表に出てこない“罪”の部分、特に雇用が不安定であるがゆえにサービスの継続提供が不安定にならざる得ないとの辺りについても、把握しておきたいところ。

 “(図書館の新しい価値は)いろいろな人が訪れ、いろいろな情報が揃っています。
  新しい情報と人がクロスし、出会える。”

 人が情報を求めるのは、やや大上段に言えば「一人一人が、自分に自信と誇りを持って生きていくため」と思います。そのための“情報のハブ(本書ではコミュニティの核と表現されています)”となる施設が、図書館に代表される“生涯学習施設”であろうと、そんな風に感じた一冊です。

【あわせて読んでみたい、かもな一冊。】
 『走れ!移動図書館』(鎌倉幸子/ちくまプリマー新書)
 『TOKYO図書館日和』(冨澤良子/アスペクト)
 『図書館戦争』(有川浩/角川文庫)
 『TOKYO BOOK SCENE』(玄光社/玄光社MOOK)
 『つながる図書館・博物館・文書館』(石川徹也他/東京大学出版会)

【補足】
 個人的には、学校図書館に司書教諭が必置なった辺りとも関連付けてみておきたいところですが、、教育関連にこそ予算をかけてしかるべきとも思いますが、、下村さんにも期待ですかね。

 ちなみに先日、お手伝いしている「朝活読書サロン Collective Intelligencehonn(裏エビカツ)」で紹介しました。特にテーマは無い集いですので、新年早々に気になった一冊的な感じで。。様々な情報のハブとして、、欧米の図書館のあり様も一度見てみたいなぁ、なんて。

 ご興味を持たれましたら、是非こちらから覗いてみてください~

 >>> 朝活読書サロン Collective Intelligence(裏エビカツ)の本棚(ブクログ)

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