「課題」と「方法」は区別して書くことが大事
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こんにちは。文書構造化職人(謎)の開米です。大量・難解・わけがわからない情報を素人にわかりやすく説明したいというときにはご相談ください。
さて、このところ何度かこの「文書構造化職人(謎)」という意味不明のフレーズで名乗りを入れていますが、こんな職種は実際には存在しないわけです。
少なくとも、転職情報誌には募集はありません。なにしろ私が冗談半分で自称してるだけですから。
で、その文書構造化職人とはいったい何をやっているのか。
ある日のあるお客様との会話を紹介しましょう。
もちろん、私は税や経理についてはド素人です。だから逆に素人には何が分からないか、がわかります。
その一方、「複雑な情報を素人に伝えるためのドキュメント術」についてはプロです。その観点で、A氏がこれまでクライアント各社に配っているという依頼文書を見たところ、ある改善の手がかりが見つかりました。
と、ここでAさんには実際に2人でその時見ていた文書を例にして説明したのですが、この誠ブログで源泉所得税関係の文書を事例にあげてもたぶん1000人に1人ぐらいにしか興味を持たれないので(^^ゞ、別な例で書きます。
「課題と方法」についてはたとえばこういうシーンを考えてみましょう。
この話に登場した情報を要素分解するとこうなります。
「目標」を決めると「課題」が出てきて、課題が明らかになるとその課題の達成を妨げている「問題」がわかるので、あとはその問題への「解決策(方法)」を考える、というわけです。
こういうパターンはよくあります。(ちなみにこの話の場合、目的と目標を区別しなくてよいので、目標を目的と言い換えてもかまいません)
よくあるパターンなのですが、この種の事例でもう1つよくあるのがこんなケースです。
↑これは「目標・課題・問題」をすべてすっ飛ばして「解決策(方法)」だけを語っていますね。
こういうケースが実はよくあります。IT関係の手順書には特に多く見られるパターンです。
「○○をやっとけよ!」という指示が単純な時はこれでもあまり困らないんですが、指示が複雑になってくるとだんだんうまく行かなくなります。要するに「選手は指示されたことをロボットのように実行しているだけで、その意味を理解していない」ので、指示が複雑になるとだんだんボロが出るようになるわけです。
「人に何かを依頼する」場合、この落とし穴には気をつけなければなりません。
「方法を示す文書」では、方法を書くのに気を取られてしまい(しかも「方法」の部分は情報量が多くなりやすいんですよ・・・・)、目標から方法までの一連の流れが説明不足になり、
という状態を起こしやすいわけです。これが起きると、本質が理解されていないので読者が成長せず、どうしても細かいところでボロが出て、いちいち訂正する手間がかかるようになります。
と、こんなふうに「文書の改善余地」を発見して改善案を作るのが「文書構造化職人」としての開米の仕事です。情報にはたいてい「よくある論理構造」があり、その構造を適切な形で視覚化できると、わかりやすさが10倍違ってくることも珍しくありません。
その構造を読み取って「わかりやすく書き直す」ことが私の仕事なのでした。
・・・・・・・・続く
さて、このところ何度かこの「文書構造化職人(謎)」という意味不明のフレーズで名乗りを入れていますが、こんな職種は実際には存在しないわけです。
少なくとも、転職情報誌には募集はありません。なにしろ私が冗談半分で自称してるだけですから。
で、その文書構造化職人とはいったい何をやっているのか。
ある日のあるお客様との会話を紹介しましょう。
A氏:こういう依頼を私のクライアント企業さんに配っているんですが・・・A氏は公認会計士・税理士事務所を開いている人物で、このときは源泉所得税納付のために必要な資料をクライアントの企業に提出してもらうための依頼文書の話でした。
開米:では拝見します。ふむふむ
開米:なるほど、源泉所得税納付のために必要な書類、というのがいろいろあるわけですね。扶養控除申告書や給与明細や請求書や記帳データ等々・・
A氏:そうなんです。で、それを説明するのがなかなか大変なんですよ。メールを書くだけだとなかなか伝わらなくて電話で時間を掛けて説明して、それでもうまく通じなくて、提出されてから細かいやりとりがいろいろ発生してます。これをなんとかできないかな、と思うんですよね
開米:なるほど、ふむ・・・
もちろん、私は税や経理についてはド素人です。だから逆に素人には何が分からないか、がわかります。
その一方、「複雑な情報を素人に伝えるためのドキュメント術」についてはプロです。その観点で、A氏がこれまでクライアント各社に配っているという依頼文書を見たところ、ある改善の手がかりが見つかりました。
開米:なるほど、そうですね、今までの依頼文書ですと、おおまかに2点、気になるところがあります。1つは「課題と方法の区別」、もう1つは「しくみの説明」です。
A氏:それは、たとえばどういうことでしょうか?
と、ここでAさんには実際に2人でその時見ていた文書を例にして説明したのですが、この誠ブログで源泉所得税関係の文書を事例にあげてもたぶん1000人に1人ぐらいにしか興味を持たれないので(^^ゞ、別な例で書きます。
「課題と方法」についてはたとえばこういうシーンを考えてみましょう。
ある野球選手に向かって、コーチがこう言いました。
「打率を上げるためのお前の課題は、アウトコースを打てるようにすることだ。どうもアウトコースの選球眼が悪いのが壁になっているようだから、ビジョントレーニングをやってみたらどうだ?」
この話に登場した情報を要素分解するとこうなります。
「目標」を決めると「課題」が出てきて、課題が明らかになるとその課題の達成を妨げている「問題」がわかるので、あとはその問題への「解決策(方法)」を考える、というわけです。
こういうパターンはよくあります。(ちなみにこの話の場合、目的と目標を区別しなくてよいので、目標を目的と言い換えてもかまいません)
よくあるパターンなのですが、この種の事例でもう1つよくあるのがこんなケースです。
コーチ:(選手に向かって)おい、ビジョントレーニングやっとけよ!
選手 :はい! わかりました! やります!
↑これは「目標・課題・問題」をすべてすっ飛ばして「解決策(方法)」だけを語っていますね。
こういうケースが実はよくあります。IT関係の手順書には特に多く見られるパターンです。
「○○をやっとけよ!」という指示が単純な時はこれでもあまり困らないんですが、指示が複雑になってくるとだんだんうまく行かなくなります。要するに「選手は指示されたことをロボットのように実行しているだけで、その意味を理解していない」ので、指示が複雑になるとだんだんボロが出るようになるわけです。
「人に何かを依頼する」場合、この落とし穴には気をつけなければなりません。
「方法を示す文書」では、方法を書くのに気を取られてしまい(しかも「方法」の部分は情報量が多くなりやすいんですよ・・・・)、目標から方法までの一連の流れが説明不足になり、
なんだかよくわからないけど、これをやれって言われてるから、言われたことをやっとくか
という状態を起こしやすいわけです。これが起きると、本質が理解されていないので読者が成長せず、どうしても細かいところでボロが出て、いちいち訂正する手間がかかるようになります。
と、こんなふうに「文書の改善余地」を発見して改善案を作るのが「文書構造化職人」としての開米の仕事です。情報にはたいてい「よくある論理構造」があり、その構造を適切な形で視覚化できると、わかりやすさが10倍違ってくることも珍しくありません。
その構造を読み取って「わかりやすく書き直す」ことが私の仕事なのでした。
・・・・・・・・続く
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