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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

中身のない情報の、そのスカスカぶりを自覚するために

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 こんにちは。文書構造化職人(謎)の開米です。「大量・難解・わけがわからない」ので説明しづらい、そんな情報を素人にわかりやすく説明したいときにはご相談ください。

 梅雨の季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。私の近所ではツバメのヒナがそろそろ巣立つぐらいに成長してきておりました。
 ほんの1週間前はまだ巣の中に隠れていたのに、小鳥は成長が速いですね。

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 さて、「経営目標」の事例を使って情報を分解・分類することの大事さを語るシリーズ最終回です。

 前回で「経営目標」の例文を分解・分類した最終形を作ったのですが、そこでもう一つ新たな例文として挙げたのが

【ある野球選手の目標】
今は長打力をつけるためのパワーアップと、フライの落下地点予測を確実にすることを考えて練習しています。

 というものでした。
 片方は経営、他方はスポーツということで、全然別な分野の話題に見えますが、「目標に向けて何をするかを語っている」という点では共通です。

 こんなふうに、「違う分野でも共通のパターンが出てくる」ので、情報の分解・分類をする習慣が大事なんです。
 (私が企業研修をするときは、ひたすらこれだけ分かってくれれば良い、と考えていると言ってもいいぐらい)

 ということで似たような論理構造になるはずですから、分解・分類してみましょう。するとこんな感じでしょうか。

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 ・・・あれま。えらいスカスカですね(笑)
 実はこれこそが狙いで、「一見もっともらしいことを書いてあるように見えて、いかに中身がないか」に気づくのが、「分解・分類」をすることによって得られる絶大な効果だったりします。

 まあ、「分野」は、野球の話ですからB1=打撃、B2=守備と補っておけば良さそうですね。

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 文章で書かれた情報ではよくこういうことが起きます。
 「必要な情報の一部が書かれていない」わけです。
 ↑この例でもあるように、「常識でわかるだろ」という部分が省略されやすい

 それはなぜか? というとその理由もはっきりしていて、

  • 普段は知識のある人間同士で話をしているから、省略しても通じる
  • 分かりきった情報は、省略した方が知的な文章に見える

 からです。

 「打撃」「守備」という用語は野球の話をするとしょっちゅう出てくるので、いちいち書いているとめんどくさく、幼稚な文章に見えます。だから省略したくなる。

 それはそれで悪いこととは言いきれないものの、知識の乏しい素人、初心者に向けて話をするときは「常識でわかるだろ」という省略は禁物ですね。その「常識」がない人間が相手なわけですから。

 ただ、そういう場合、つまり「素人向けの話なので常識的知識を省略してはいけない時」でも、文章で書いてるとどうしてもついついやっちゃうんです。

 だから、分解・分類して表を作ることが大事になります。
 そして、今回の例で言えば「分野・方針・目標」といった「よくあるパターン」を知っておくことが重要です。知っていれば、

「これは、目標に向けて何をするかを語る話だよな・・・・おっと、分野を書いてないや。書いておこう」

 というふうに気を使えるからですね。

 さらに、表を作るとC2のように、「省略したらわからないから省略してはいけないはずなのに、書かれていない情報」が目立ちます。

 「守備」や「打撃」は省略してもわかりますが、「フライの落下地点予測を確実にする」ために何をするのか、というC2の情報は、省略したらわからないのですよ。それが出ていない、ということが、文章だとわかりにくいのに、分解・分類するとすぐにわかります。

 ちなみにこういうケースは

実は何も考えてなくて、ただやみくもに「頑張っている」
 という場合に結構よくあります。

選手 :今はフライの落下地点予測を確実にするための練習をしています
コーチ:そうか。どんな練習を?
選手 :とにかくフライを取る数をこなしてます

 こういうタイプの選手は無駄に長時間練習をするけれどなかなか腕が上がらない、ということになりやすいですね。「落下地点予測ができない」と言っても、何が悪いのかはいろいろな可能性があるわけです。最初に踏み出す方向が悪いのか、走り方が安定していないために途中でボールを見失うのか等々、「フライが捕れない」という結果は同じでもそこに至るプロセスが違えば対策は違うはずで、それを見極めた上で練習をしているなら「とにかく数をこなしてます」といった回答は普通返ってきません。

 つまり、情報を細かく分解・分類することで、「それを書いた人間がどのぐらい問題を掘り下げて考え、理解しているか」を推測できるわけです。自分自身の理解についても自覚できます。

 だから、分解・分類しましょう。表を作りましょう。見出しをつけましょう。

 ということを私はいつもひたすら企業研修の場で訴えているのでした。

 ということで、この話題はこのぐらいにしておきましょう。以上を持って、「経営目標」の事例シリーズ完結です!


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開米に「分解・分類」をやって欲しい話題があればご要望ください。
できる限りやってみて当ブログでご紹介します。(したがって、機密情報はダメです(^^ゞ)

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