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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

原子力論考(82)火力発電所のトラブル急増の原因は?

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昨日、"原子力論考(81)石油火力発電の発電コストはヒッジョーに高いので" にて、

古い設備をだましだまし使っていると、どうしても故障が多くなります。
発電所のような巨大なエネルギーを扱う施設での「故障」というのは、死亡事故に直結する極めて危険なことなんです

という話を書いたところですが、北海道電力が今年(2013)2月15日にそのへんの話を広報に載せていたようです。

"急増する火力発電所トラブルの早期復旧を目指して-節電のお願い-ほくでん"
http://www.hepco.co.jp/power_saving/explain/restoration.html
泊発電所の停止後、当社の火力発電所は供給力を確保するために、定期検査を繰り延べして高稼働運転を行っていることでトラブルが急増しています。
現場パトロールや運転データの確認頻度を通常より増やすなど、日常的な保守・点検の強化を最大限に図っていますが、発電設備を長期間停止して本来必要な点検・補修を実施できないため、抜本的な対策が難しい状況となっています。
昨日の「石油火力のコストはバカ高い」という話を読んだ後で、↑リンク先の「泊発電所停止後のロードカーブ」を見ると、唖然としますよ・・・・これで電気代値上げをやめろ、というほうがどうかしている。

それよりもなによりも重大なのはこれ → 「発電設備を長期間停止して本来必要な点検・補修を実施できないため、抜本的な対策が難しい状況」 で、それでも電力維持のために危険な仕事をしている、ということはわかっていただきたいです。

泊原発を稼働出来れば本来必要な点検補修が出来ます。
それをさせないことで、火力発電所の従業員の命を危険にさらしている
ことをわかってください。

それでも、原発を止めておくことが「正義」であり「倫理」ですか?

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