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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

Software Design 誌12月号第一特集「なぜエンジニアは文章が下手なのか」内容紹介(1) "Simple is best" を盲信するな

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11月18日発売のSoftware Design 誌(技術評論社)で「なぜエンジニアは文章が下手なのか」という第一特集を書きました。タイトルはこれで確定です。

トビラ画像



内容を紹介したいと思いますが、約30ページもある特集なので一度に書いても誰にも読まれませんし(^^ゞ、何回かに分けて書くことにします。

今回はこの一節をどうぞ

"Simple is best を盲信するなかれ"



"Simple is best" というのはキャッチコピーとしてよくできているし、多くの場合真実でもあります。座右の銘にしてもいいぐらいです。

ただ、いついかなる場合でも Simple is best が通用するか、というとそんなはずはないわけで、根本的に複雑なものは、どんなにわかりやすく書いても複雑なんですよ。

たとえば私は地方から東京に出てきた当初、東京の地下鉄路線図を見てボーゼンとしていたことがあります。鉄道なんて一本しかない地域の住人にとっては想像を絶する複雑な路線図でした。

でもそれが現実そのものなわけで、その現実を正確に反映するように路線図は書く必要があります。情報量が多すぎるからといって駅をいくつか落とす、というわけにはいかないのです。

だから、Simple is best がいついかなる時も成り立つわけではない、ということには注意しておきたいわけです。実際に使う人にとってのわかりやすさと、何となく見ているだけの人が感じるわかりやすさはまったくの別物でもあります。

そんな話も書いているこの特集、多くの方に読んでいただきたいと願っています。
記事構成概要はこちら

Software Design 誌12月号「文章力」特集記事の予告

以上!

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