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「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

「循環型社会を形成するための3つのR」を構造化する(後編)

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文書化能力向上コンサルタントの開米です。

さて、前回書きましたように、

「環境負荷の低い循環型社会を形成するための3つの原則」
Reduce : 廃棄物の発生抑制、製品の長期使用
Reuse : 使用済み製品等の再使用
Recycle : 使用済み製品を再資源化(再資源化のための分別排出)

は、分解・構造化すると



こんなふうに少々違和感のある構造になってしまいました。

そこで、「同じ種類の情報はまとめて書く」ように整理したいわけですが、ここでそもそも「人間の活動が環境に負荷を与える」のはどんなときか? という根本的なしくみレベルの考察をしてみます。

 「しくみレベルの考察」というのはたとえばこういうものです。



 「環境」から「資源」を取り出して「製品」を作って使い、使い終わって「不要」になったら「廃棄」するという流れで、

    資源を取り出す
    廃棄物を捨てる

 という2点で「環境に負荷を与え」ます。これは、人間は万物の王者か地球の寄生虫か、といった価値観の話ではなく物理法則の次元の話なので、価値観では対立する人でも、この話では共通認識を作れるはずなんですね。

 そしてここに「Reduce、Reuse、Recycle」の3つのRを当てはめていきたいのですが、その前にもう一段、抽象的な「上位目標」を設定するべきです。



 つまり、「資源を取り出す」「不要物を廃棄する」の2点で環境に負荷を与えるわけですから、それを削減することをそれぞれ目標として設定する。
 ただしこれは抽象的な上位目標なので、それを実際に達成するためには具体化しなければいけません。

 そこで具体化を考えるとたとえばこうなりますね
 


 製品を作るための「投入資源量を削減」し、作った製品を「長期間使用」し、不要になったものの「再資源化を促進」すれば、上位目標を達成できるリクツです。
 するとこの下位目標が「Reduce、Reuse、Recycle」にピタリ一致するんですな。

 まあ、なんということでしょう。

 ちなみに「下位目標」もまだ抽象的なのでさらに具体化すると、たとえばこんなかたちに出来ますな。
  


 「手段」は具体的なものがもっと他にも多数考えられますが、本稿ではあくまでも構造化のサンプルを示すことが狙いなのでここまでにしておきます。

 前回、「同じ種類の情報はまとめて書く」のが構造化の大原則だ、と書きましたが、たとえばヨコ方向に

    上位目標
    下位目標
    手段

と切った一段一段がそれぞれ「同じ種類の情報でまとまって」いますね。

 あるいは、タテ方向に

    資源、製品、不要物

 と切るとそれが Reduce, Reuse, Recycle に対応するというわけで、これも「同じ種類の情報でまとまって」ます。

 「構造化」というのはたとえばこういうことをするわけです。
 私が「わかりにくい文書をわかりやすく」書き直す時には、「タテ・ヨコ」がそれぞれ「同じ種類の情報でまとまる」ように情報を分解整理するという作業を徹底して行うのが通例です。

 以上、「循環型社会を形成するための3つのR」を構造化する 後編でした。
 
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